検索窓
今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:55,419 hit

103.伝書鳥 ページ14






…ガシャ、ガシャッ




「あー!どーすりゃいいのよっ!部屋から脱出すら出来ないなんてっ!」




伊野尾さんは外出しており、わたしはひとり部屋に残されていた。なんとか外へ出ようと試みるも扉はビクともしない。妖力で施錠されているのだろう。緩い顔して抜かりのない男だ。




気づけばこの屋敷に来てからもう数日経過している。




彼は一体いつまでこんな我慢比べを続けるつもりなのだろうか。




「はぁ…もう。やだ。」




涼介と裕翔は無事なの?不安しかない。伝説の娘だとか言われてるのに、何も出来ない自分がもどかしい。苛立ちが募り過ぎてどうにかなってしまいそう。




ピチチッ



荒んだ心に可愛い鳴き声と柔らかな気配が入った。




「…あ、シマエナガちゃん。あなたも屋敷内に居たの?」




ふわふわと目の前を浮遊する白い鳥。この子は出入り自由のようだ。雪の結晶のような淡い塊を目で追いかける。




『A、聞こえる?』


「えっ。」





不意に愛しい人の声がして驚愕した。キョロキョロ辺りを見回すけど姿はない。どこにいるの?


104.結界からの声→←102.見せない本音



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (256 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2916人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:不眠症の羊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/  
作成日時:2020年11月28日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。