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鏡の中の自分がどんどん変わっていく。
まぶたの上がキラキラ。薄ピンクのきれいな色。アイラインで少しだけ伸びた目尻。ほんのり入ったチーク。持ってはいたのにほとんど使ったことのなかった化粧品たち。
『こんなのどこで覚えたの』
「ジョンハニヒョンに言われた日から動画見たりして勉強してたんだよ」
『へえ…ミンギュすごいね…』
「クラスの女の子にも教えてもらったりした」
『本気だねありがとう』
「彼女出来たのかって騒がれたけどね!」
『その甲斐あってまるで別人のようだよ』
「良かった。ヌナ、お姫様みたい」
『そういう台詞は彼女に言ってあげなさい』
「おれのいちばんはいつだってヌナだよ!」
『そんなこと言ってたら彼女出来ないよ』
「ヌナに彼氏が出来ない限りおれにも出来ない」
『なに言ってんだこいつは』
「ほんとだよ。今日だって、嬉しいけどほんとはちょっと寂しい」
『ミンギュ、』
「ヌナがジョンハニヒョンに取られちゃうのかなって」
『そんなわけあるか』
「でもうれしいけどね!!」
ニカッ、と笑ったミンギュは着替えて!と服を持ってきた。
黙って受け取ると着替えるわたしの為に部屋を出て行ったミンギュ。ミンギュも可愛いこと言うんだなあ。我が弟ながら。
着替えて部屋の扉から顔だけ覗かせるとキラキラした顔でこちらへ寄ってきた。
「着替えた?」
『うん…大丈夫かな…』
扉を開けて全身ミンギュチェック。
「ヌナ、完璧!ほんとにお姫様みたい!」
黒いシースルーの刺繍が入った長袖のワンピース。袖がぽふっとしててかわいい。
時計を見ると10:45。もうそろそろ来そうだな。
スマホを見ると大量にメッセージと着信が来ていた。あ、起きたら連絡するっていうの完全に忘れてた…。
「Aちゃんおはよ!!!」
「起きてる?」
「おーい」
「不在着信」
「不在着信」
「Aちゃん!」
そしていくつかのスタンプ。慌てて返事をしようと既読をつけたらすぐに電話がかかってきた。
「Aちゃん!!!」
『ごめんなさい起きてました』
「ならいいけど…。寝てるかと思って何回も連絡しちゃった」
『もうすぐ用意出来ます』
「よかった。おれももうすぐつくからついたら連絡するね」
そう言って切れた。もう着くって言ってたけどわたしが起きてなくても家に突撃するつもりだったんだな。小さな鞄に荷物を入れて待っていよう。
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f - このお話何回も読んでるけど毎回キュンキュンが止まらなくて本当に大好きです…!素敵なお話ありがとうございます! (2021年7月30日 15時) (レス) id: f47bd03f70 (このIDを非表示/違反報告)
hanihaniてんし - キュンキュンしました!ハニペンとして、とても嬉しいお話でした!ありがとうございます~! (2019年12月31日 16時) (レス) id: 528189e27f (このIDを非表示/違反報告)
ににに(プロフ) - ウォヌ ペンとしてちょっぴり切なかったけど、めっちゃきゅんきゅんしました (2019年8月28日 0時) (レス) id: 7eaeb151a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 私が評価ボタン押したら点数?が10になりました!!星全部埋まるってスゴい人気なんですね♪私もお話書いているので、参考にさせてください!!お話、最高です!! (2019年8月17日 14時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ボボベイビーさん» コメントありがとうございます。陰ながらの応援、ありがとうございますとても励みになりました^^ジョンハンさんとの番外編、楽しみになさっていてください! (2019年7月31日 17時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ymu | 作成日時:2019年7月8日 8時