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チョンくんの後ろ姿を見ていたら涙が出てきた。え、なにこれ。
眼鏡で地味なわたしにも、図書委員のわたしにも、どんなわたしにも優しかったチョンくん。わたしが怪我をした時、助けてくれたチョンくん。そばにいてくれたチョンくん。
「Aちゃん」
鼻をすすりながら顔を上げるとユンジョンハンが立ってわたしを見下ろしていた。
「なんで泣いてるの？」
『わかんない』
「チョンウォヌのこと？」
『…そうかもしれない』
「Aちゃん」
ベンチに座るわたしの前にしゃがんで目線を合わせてくる。そしてわたしのほっぺたを流れる涙を人差し指で掬った。
「おれ以外のために泣かないで」
『くせえな相変わらず』
泣きながらいつもの調子のわたしを見て、ユンジョンハンは笑ってわたしの隣へ座り直した。強がり、と一言余計なことを言って。
「チョンウォヌがすきだった？」
『…わからない』
「なんで泣くの？」
『チョンくん、どんなときだって優しかったなあって』
「おれと仲良くならなければ、すきになってたって？」
図星。ユンジョンハンに出会う前のまま仲良くしていれば、わたしはいつかチョンくんのことをすきになっていたかもしれない。
『そう、かもしれないね』
「おれでよかったって、おれがいいって、思わせるから」
『うん』
「おれだってどんなAちゃんもすきだし、Aちゃんを守るしAちゃんのそばにいる」
『うん』
「だから、おれだけを見て」
『はいはい』
笑って目を逸らすとほっぺたを両手で包まれて、ユンジョンハンの方は顔を向かされる。
「本気だよ」
『…、うん』
「本気で、だれよりも、すきだよ」
『ありがとう』
「チョンウォヌのこともすぐ忘れさせる」
『いい友達になれそうだよ』
「…すき」
そんな切なげな目で見ないでよ。囁かないでよ。酔ってしまいそう。
「ねえ、Aちゃんは？」
『あなたと同じ』
「あなたってだれ？」
『ユンジョンハン』
「ちがうでしょ」
『…………ハニ』
「正解。同じってなに？」
『…言わない』
「すきだよ」
はあ…。この人は本当に心臓に悪い。直接攻撃してくる。でもそんな優しい顔で見られたら。
「ちゃんと言って？」
深呼吸する。
『……ハニ、すき』
顔を真っ赤にした超絶笑顔のユンジョンハンに抱き締められる。そう、この笑顔がすき。彼の思うツボ。
はあ、結局、惚れたら負けなんだな。
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f - このお話何回も読んでるけど毎回キュンキュンが止まらなくて本当に大好きです…！素敵なお話ありがとうございます！ (2021年7月30日 15時) (
レス) id: f47bd03f70 (このIDを非表示/違反報告)
hanihaniてんし - キュンキュンしました！ハニペンとして、とても嬉しいお話でした！ありがとうございます~！ (2019年12月31日 16時) (レス) id: 528189e27f (このIDを非表示/違反報告)
ににに(プロフ) - ウォヌ ペンとしてちょっぴり切なかったけど、めっちゃきゅんきゅんしました (2019年8月28日 0時) (レス) id: 7eaeb151a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 私が評価ボタン押したら点数？が10になりました!!星全部埋まるってスゴい人気なんですね♪私もお話書いているので、参考にさせてください!!お話、最高です!! (2019年8月17日 14時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ボボベイビーさん» コメントありがとうございます。陰ながらの応援、ありがとうございますとても励みになりました＾＾ジョンハンさんとの番外編、楽しみになさっていてください！ (2019年7月31日 17時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ymu | 作成日時：2019年7月8日 8時
