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ジョンハン side
朝、Aちゃんと手を繋いで登校した。めちゃくちゃドキドキしたけど、集まる視線に少しだけ怯えていたAちゃんを放っておけなくて、思わず繋いだ手。
不安そうにおれを見上げて、ホッとしたような顔をしたから死にそうに可愛かった。ていうか死ぬ。なんでこんな可愛いわけ?おれをころそうとしてるの?
Aちゃんに声をかけてた自称イケてる奴も腹が立つし、Aちゃんに嫉妬してた女たちも腹が立つし、そうだ、みんなの前で宣言してしまえばいい、と思った。
「おれとAちゃん、付き合うことになったから!Aちゃんになんかしたら許さないから!」
なんて、漫画みたいに叫んだ。静まり返る教室が面白かった。
次の休憩時間、おれはチョンウォヌの教室へ走った。
「チョンウォヌいる?」
出入り口の近くにいた子に聞く。連れて来られたチョンウォヌ。野次馬が出来そうだったから、近くの窓際まで移動した。
「なんですか?」
おれへの敵意むき出しのチョンウォヌ。まあそりゃそうだよな。
「おれ、Aちゃんと付き合った」
切れ長の目を見開いて、少しだけ開く唇。
「そう、ですか」
「なにがあっても絶対守るから、」
ふっ、と片側の口角だけ上げて。
「…なにかあったら、すぐに奪いますから」
「うん。絶対傷付けない」
「絶対ですよ」
手を差し出すと、素直に触れる手。宛ら、仲直りの握手とでもいうのかな。
「今日の昼休み、Aちゃんと話して。Aちゃんには言っとくから!」
チョンウォヌは何か言いたげだったけど、じゃ!とその場を去った。
振られるってわかってて会わせるなんて酷かなあと少し思ったけど、チョンウォヌと話してわかった。
こいつなら大丈夫だって。いい奴なんだろうな。
教室に戻ると、Aちゃんが女の子数人に囲まれていた。もしかして、と思って近付いたけど、前のようなそれではなく、和気藹々と話しているようだったのでそっとしておいた。
Aちゃん、可愛いから。めちゃくちゃ可愛いから。白くて、細くて、背も高くて、だからみんなきっと仲良くしたかったんだと思う。
眼鏡で隠れていただけで、いやAちゃんが隠していただけで、本当は君は、外見も中身もとても素敵な子なんだよ。そう全世界に叫びたくなるほど惚れている。このユンジョンハン様が。
Aちゃんの数百倍はすきだよ。あいしてる。
はあ、惚れたら負けだよなあ。
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f - このお話何回も読んでるけど毎回キュンキュンが止まらなくて本当に大好きです…!素敵なお話ありがとうございます! (2021年7月30日 15時) (レス) id: f47bd03f70 (このIDを非表示/違反報告)
hanihaniてんし - キュンキュンしました!ハニペンとして、とても嬉しいお話でした!ありがとうございます~! (2019年12月31日 16時) (レス) id: 528189e27f (このIDを非表示/違反報告)
ににに(プロフ) - ウォヌ ペンとしてちょっぴり切なかったけど、めっちゃきゅんきゅんしました (2019年8月28日 0時) (レス) id: 7eaeb151a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 私が評価ボタン押したら点数?が10になりました!!星全部埋まるってスゴい人気なんですね♪私もお話書いているので、参考にさせてください!!お話、最高です!! (2019年8月17日 14時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ボボベイビーさん» コメントありがとうございます。陰ながらの応援、ありがとうございますとても励みになりました^^ジョンハンさんとの番外編、楽しみになさっていてください! (2019年7月31日 17時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ymu | 作成日時:2019年7月8日 8時