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振り向けないまま駅に着いて、チョンくんと別れる。
ホームに着いてベンチに座る。自転車を押すスニョンくんが線路の柵越しに見えた。
ユンジョンハンがホームを歩いてくるのが見えて、思わず俯いてしまった。気付かれませんように、って。
電車が来たので立ち上がったけど、ユンジョンハンはわたしの前を通り過ぎて、遠くの方へ歩いて行った。
電車に乗って隣の車両を見ると、車両の端の方にユンジョンハンがいるのが見えた。どさっと座ってスマホを見ていた。
ポケットのなかのスマホが震えたので取り出す。
「バカ」
それだけ送られてきていた。送り主は勿論ユンジョンハン。
なに、とだけ返すとすぐに既読がついた。
「こっちの車両来たら」
『行かない』
「じゃあおれが行く」
『来ないで』
「なんでよ」
『なんでもないけど。来ないで』
「なんでおれそんな嫌われてんの」
直後に怒ったスタンプ。嫌ってなんかない。寧ろ、ね。天使の絵文字だけ送っておいたけど、今来られるとあの人の顔をまともに見れない気がする。
「バカ」
さっきのメッセージと同じことを口頭で言いに来たユンジョンハン。
一言言うと、わたしの隣へ座った。拗ねたような怒ったようなユンジョンハンを見て、なんだかわたしも少し腹が立ってきた。
なんなの。わたし結局この人に振り回されてる。好きだって気付いたら別の女の子と一緒にいる。どういう仕打ち？手のひらで転がされてただけじゃないか。
「チョンウォヌと付き合ったの」
むすっとしながら呟くように聞いてくる。
『付き合ってないってば』
「なんでそんな喧嘩腰なの」
『別に喧嘩腰じゃない』
「いつもより口調こわい」
『何回も同じこと聞くから』
苛立ちをぶつけるように見当違いな言葉をぶつける。
「…ごめん」
ちがう。謝って欲しいわけじゃない。謝ってなんていらない。こんな風に突っかかって、駄々っ子じゃないかわたし。
言いたいことも、聞きたいこともたくさんあるのに。なにひとつだって言えない。そんな自分にも腹が立って、ついつい無言になる。
昨日の女の子は、彼女？
やっぱりわたしはゲームだったんだね。
彼女いるのに話しかけないで。
なんでまだわたしに話しかけるの？
なんでそんな、悲しそうな顔するの？
無言のわたしと無言のユンジョンハン。景色はどんどん過ぎていくのに、ふたりの沈黙は時間が止まったように動かない。
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f - このお話何回も読んでるけど毎回キュンキュンが止まらなくて本当に大好きです…！素敵なお話ありがとうございます！ (2021年7月30日 15時) (
レス) id: f47bd03f70 (このIDを非表示/違反報告)
hanihaniてんし - キュンキュンしました！ハニペンとして、とても嬉しいお話でした！ありがとうございます~！ (2019年12月31日 16時) (レス) id: 528189e27f (このIDを非表示/違反報告)
ににに(プロフ) - ウォヌ ペンとしてちょっぴり切なかったけど、めっちゃきゅんきゅんしました (2019年8月28日 0時) (レス) id: 7eaeb151a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 私が評価ボタン押したら点数？が10になりました!!星全部埋まるってスゴい人気なんですね♪私もお話書いているので、参考にさせてください!!お話、最高です!! (2019年8月17日 14時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ボボベイビーさん» コメントありがとうございます。陰ながらの応援、ありがとうございますとても励みになりました＾＾ジョンハンさんとの番外編、楽しみになさっていてください！ (2019年7月31日 17時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ymu | 作成日時：2019年7月8日 8時
