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外が朱色になった頃に本を読み終わった。
ぱたん、と本を閉じて顔を上げるとこちらを見ていたチョンくん。
ん?ずっと見られてたのかなこれ。



『読み終わったよ』



「ありがとうございます」



そう言って本を渡すと素直に鞄に入れたチョンくん。周りを見渡すともう人はいなかったから、机の上に置きっぱなしの本達を片付けて、出る準備をする。



「鍵、閉めますね」



そう言ってわたしの手にある鍵を取ったチョンくんの冷たい手とわたしの手が少しだけ触れてドキッとする。
これはあれかな、好きと言われて意識してしまうやつなのかな。でもそもそもチョンくんの好きって?
異性としての好きなのかどうかすらわからないし、舞い上がって裏切られたら、なんてすぐ考えてしまうのはわたしの悪い癖。



『わたし返してくるね、チョンくん先に帰っててくれていいよ!』



なんだかまともにチョンくんの顔が見れなくて、それだけ言って小走りで職員室へ行った。
鍵を返して職員室を出ると、少し予想はしていたけど待ってくれているチョンくん。


わたしを見て微笑んだチョンくんは、わたしの横に並んで歩き始める。
校門を出るところで、何人かの声がしたから振り向くと、ダンス部。
スニョンくん、ユンジョンハン、あと数人。

ユンジョンハンと目が合ったけどすぐに逸らされた。



「キムさん」



チョンくんは心配したような顔でわたしを覗き込むから、何事もなかったかのようにチョンくんと歩き続けた。

なんてことない話をしながら歩く。後ろからはずっと声が聞こえるからまだ後ろにいるんだとおもう。振り向くことができない。



「キムさん、危ないですよ」



ぼーっとしていて、車が来ていたことに気が付かなかった。車道と反対側へぐいっと手を引かれる。



『あ、ごめんね…。ありがとう』



「ぼーっとしてますね」



優しく笑うチョンくんに心がズキっと痛んだ。

ユンジョンハンに、見られたくない、他の男の人と仲良くしてるところ。
そんな感情が頭によぎった。




隣を歩くのも、手を引かれるのも、







ユンジョンハンがいい。







そう思った。




チョンくんのことは勿論好きだけれど。




ああ、やっとわかった。素直になれ、わたし。




わたし、ユンジョンハンが、好きなんだ。






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設定タグ:SEVENTEEN , ジョンハン , ウォヌ
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f - このお話何回も読んでるけど毎回キュンキュンが止まらなくて本当に大好きです…!素敵なお話ありがとうございます! (2021年7月30日 15時) (レス) id: f47bd03f70 (このIDを非表示/違反報告)
hanihaniてんし - キュンキュンしました!ハニペンとして、とても嬉しいお話でした!ありがとうございます~! (2019年12月31日 16時) (レス) id: 528189e27f (このIDを非表示/違反報告)
ににに(プロフ) - ウォヌ ペンとしてちょっぴり切なかったけど、めっちゃきゅんきゅんしました (2019年8月28日 0時) (レス) id: 7eaeb151a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 私が評価ボタン押したら点数?が10になりました!!星全部埋まるってスゴい人気なんですね♪私もお話書いているので、参考にさせてください!!お話、最高です!! (2019年8月17日 14時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ボボベイビーさん» コメントありがとうございます。陰ながらの応援、ありがとうございますとても励みになりました^^ジョンハンさんとの番外編、楽しみになさっていてください! (2019年7月31日 17時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ymu | 作成日時:2019年7月8日 8時

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