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わたしをすきだと言ってくれたチョンくんに、なにも言えなかった。


好き?それは、異性として?
鼓動がどんどん早くなってくる。



「困らせてすいません」



『あ…いや……』




困ったわたしを、さらに困った顔で眉を下げて笑うチョンくん。
また放課後に、そう言って消えたチョンくん。その場でへたり込みそうだった。



なにも手につかなくなって、授業もいつのまにか終わっていた。帰る用意すらなかなか進まない。
ぼーっとして、我に返って、ぼーっとしての繰り返しでもたもたしていると、人が少なくなった教室と久しぶりのユンジョンハン。



「Aちゃん」



『はい』



「今日図書室の日?」



『そう』



「同じくらいに部活終わるから一緒に帰ろうよ」



『…チョンくんと帰るので』



話しかけられた瞬間に昨日と今日のお昼の光景が浮かんで、八つ当たりみたいになってしまった。これじゃわたしただのかまってちゃんじゃないか。
チョンくんと帰る約束なんてしていないのに、物凄く強がったことを言って後悔した。



「…そっか、ごめんね」



じゃ、と言って悲しそうな顔で教室から出て行ったユンジョンハン。あれ、なんでこんな苦しいんだろう。

待って、でも昨日あなたも女の子と歩いてたじゃないの。彼女がいるなら他の女の子に話しかけるなんて、期待させるなんて、だめだよ。わたしが彼女ならして欲しくない。


モヤモヤしたまま図書室へ向かった。わたしがモタモタしていたせいで、チョンくんが先に着いていて、なぜか受付に座っていた。

わたしが入ると少しだけ笑った。チョンくんの隣に座って鞄から本を取り出す。



「あ、それ新しいやつですよね」



わたしの手元の本を覗き込むチョンくん。
なんだか近い気がして、ドキッとした。


柔軟剤のいい香りと、白くて細く骨張った男らしいけど綺麗な手。華奢なのに広めの肩幅、くつくつと動く喉仏に、急に異性なんだということを意識させられて普段通り過ごせなかった。



「どうかしました?」



『あ、ううんなんでも。良かったら貸すよ』



「ありがとうございます。読み終わったら貸して下さい」



『多分今日で終わりそう』



なるべく平常心を保って話を続ける。
ユンジョンハンに反抗するように、他の女の子といた罰だと言わんばかりに、わたしもチョンくんと仲良くする。なんの意味もないけど。

この気持ちは、なんなんだ。






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設定タグ:SEVENTEEN , ジョンハン , ウォヌ
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f - このお話何回も読んでるけど毎回キュンキュンが止まらなくて本当に大好きです…!素敵なお話ありがとうございます! (2021年7月30日 15時) (レス) id: f47bd03f70 (このIDを非表示/違反報告)
hanihaniてんし - キュンキュンしました!ハニペンとして、とても嬉しいお話でした!ありがとうございます~! (2019年12月31日 16時) (レス) id: 528189e27f (このIDを非表示/違反報告)
ににに(プロフ) - ウォヌ ペンとしてちょっぴり切なかったけど、めっちゃきゅんきゅんしました (2019年8月28日 0時) (レス) id: 7eaeb151a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 私が評価ボタン押したら点数?が10になりました!!星全部埋まるってスゴい人気なんですね♪私もお話書いているので、参考にさせてください!!お話、最高です!! (2019年8月17日 14時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ボボベイビーさん» コメントありがとうございます。陰ながらの応援、ありがとうございますとても励みになりました^^ジョンハンさんとの番外編、楽しみになさっていてください! (2019年7月31日 17時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ymu | 作成日時:2019年7月8日 8時

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