その２ ページ11
怒った様子で私に詰め寄る男性、否、ファンクビートと言ったか。
「アークヨルム式カンフーの餌食にすることもやぶさかではないぞ」
え、何カンフー？？
疑問符もつかの間至近距離。
満身創痍に見えど流石男性というか、上から至近距離で見下ろされるのには少しの恐怖を感じる。
否、それだけではなく何か…ファンクビート本人から滲み出る威圧感、とも言うべきか。
覚悟を決めて目を瞑った時、目の前のファンクビートが何かに気づいたかのように小さく声をあげた。
『え、な、何かありましたか…？』
「…貴様、シャオロンに来るのは初めてか？」
『え？』
急に、どうしたのだろうか。
それにその言い方だと、私が観光客だって分かってるかのような。
「この時期は観光客が多いからな、それで？」
私の考えを見透かしたかのように答えを促すファンクビート。
『あ、はい。初めてです。この時期は紅葉が綺麗だと聞いて…』
「そうか…何処か菓子か何かを食っただろう。甘くて、気分が高揚するような」
『？はい。通りで買いましたけど…それが何か？』
というか何故そこまで分かるのだろう。怖いぞ。
「その菓子は捨てておけ。もう食べない方がいい」
『え？』
「全く…この辺も治安が悪くなったものだな。後で奴に言っておかないと」
『えっと、あの』
どうしてですか、そう聞こうとしたのを遮るように、少年の声がファンクビートを呼んだ。
「ファンクビート！ここにいた！」
「なんだキィ、騒々しい」
「騒々しいって、それより急患だよ！こういうときに限っていないんだから、またユーシェンに怒られるだろ！」
「それを早く言え」
言うが早いが足早にその場を去ろうとするファンクビート。
去り際にくるりとこちらを向いて言った。
「いいか貴様、このファンクビートは病人ではなく医者だ。滞在中何かあれば才華楼に来い。シャオロン１の大天才がみてやる」
ではな、と。
ファンクビートは、キィと呼ばれた少年のように会釈の１つもしないでそのまま堂々と去っていった。
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ひつじ(プロフ) - ねこまりおさん» わぁあありがとうございます！鉛姫シリーズの作品が増えていくことを、私も１ファンとして期待してます… (2021年2月14日 13時) (
レス) id: 2dde8895f0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまりお - とっても素敵な作品ですね！鉛姫シリーズなんかは作品数が少ないので嬉しいです。無理をなさらず頑張って下さい！応援します！ (2021年2月13日 18時) (レス) id: b42424beae (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - ひつじさん» いえいえ！とっても楽しみにしています、少しずつで良いので頑張ってください！応援しています (2021年2月9日 17時) (レス) id: 27a2b67915 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - 本当ですか!!!大変失礼しました!!ご指摘ありがとうございますすぐ直します!! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 2dde8895f0 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - オリジナル作品のタグがついてしまっていることと名前の変換がされていないことを報告させていただきます。鉛姫の夢小説が少ない中、その数少ない作品の一つである貴方の作品に私は期待しています。頑張ってください！もし不快に感じてしまわれたらすみません。 (2021年2月9日 0時) (レス) id: 27a2b67915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひつじ | 作成日時：2021年2月8日 0時
