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ジョンハンside
Aちゃんに近付いたのは、初めは本当に賭けに勝つため、ゲーム感覚だった。
だけどなぜか、チョンウォヌはずっと気に入らなかった。Aちゃんと仲が良さそうだから。
AちゃんもAちゃんで、おれと話す時はずっと敬語なのにチョンウォヌにはタメ口だったし、柔らかい表情で笑っていたこともあった。
おれの前では、そんな表情見せたことないのに。それがなんだか無性に腹が立った。
宛ら、自分の玩具を取られた子供みたいに。
チョンウォヌとAちゃんが2人乗りして学校を出て行った姿を見て、動けなくなった。
なんで?あの2人が?付き合ってるのか?
おれは我慢出来なくなって、スニョンに会いに来たチョンウォヌを連れ出した。
おれが近付いたせいで、クラスの女子たちに嫉妬されて階段から突き落とされそうになって、けがをしたと聞かされて目の前が真っ白になった。
Aちゃんが傷ついていたと話すチョンウォヌは、静かにおれに対して怒りを露わにしていた。
ああ、そうか、きっとこいつは。
「僕、キムさんが好きです」
そう項垂れてしゃがみこんだおれの目をしっかりと見て言ったチョンウォヌ。真っ直ぐぶつけられたその気持ちに、おれは何も言い返せなかった。
「あなたの噂は聞いてます。仲良くして、勘違いさせて好きにさせて、告白されたら終了。そんなゲームをしてるんですよね」
初めはそうだった。だから女なんてどうでもよくて、惚れさせればもうその他大勢の存在。でも何故か、Aちゃんだけは、違くて。
なかなか惚れてくれないAちゃんに、意地になっていたのかもしれない。
「あなたの身勝手で、ゲーム感覚で、1人の人間を、キムさんを、傷付けるのはやめてください。
あなたには、キムさんに近付く資格もないし、キムさんを守る資格もありません」
チョンウォヌの言うことはご尤もだ。何一つ間違ったことは言っちゃいない。
そうか。Aちゃんのそばには、こいつみたいな、チョンウォヌみたいな奴がいるべきなのかな。
あんなゲームで近付いた自分が馬鹿らしくなって、Aちゃんを傷つけた自分が情けなくて、ああ、もうAちゃんに話しかける資格なんておれにはないんだと思った。
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ymu(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます。遅くなってごめんなさい。続編が出来ておりますので、よかったらどうぞ^^ありがたいお言葉、とても嬉しかったです。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - すごく面白いです。この小説自体の続編も作って欲しいです。終わってほしくない(;_;) (2019年7月11日 17時) (レス) id: e7101afbe1 (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - honeyさん» こんばんは、コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉たくさんありがとうございます!ご期待に応えられるよう更新していきますので続編もどうか楽しみになさっていてください^ ^ (2019年7月8日 22時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
honey(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませてもらってます! 更新されてないか確認しまくって、されてたらすぐ読んでますwコメ遅くなりましたがとっても応援してますので続きも楽しみにしてます!無理せず頑張ってください!ジョンハンさんがんばれ!女の子も自信持てるといいなあ (2019年7月8日 0時) (レス) id: 4ce9f94577 (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ななさん» こんばんは。コメントありがとうございます!これからどうなるのでしょうか、わたしもたのしみです!たのしみにしていてください!^ ^ (2019年6月29日 20時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ymu | 作成日時:2019年6月25日 13時