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「今日はお弁当？」
『お弁当です』
「だとおもった」
そう言ってわたしの鞄を手渡してくるユンジョンハン。こわい。女の子の鞄勝手に持ってくるなんて。ユンジョンハンは相変わらずコーヒーとパンを持っていた。
中庭のベンチへ行くのも慣れたもの。ほんの数日しか経ってないのに。この人は人の心に無理矢理土足で入ってくるのが上手だな。
「土曜日、行きたいところある？」
もう決定事項なんだ。わたし了承した覚えないのに。なにを言ってもわたしの意見は無視なんだろうけど。
「Aちゃん、動物すき？魚？映画？星？」
『全部すきですよ』
「どれがいちばんすき？」
『動物と、映画。魚と星も』
「全部じゃんか。あ、全部おれと行きたいって？」
『ごめんなさい全部すきじゃないです』
「おい」
ははは、とユンジョンハンは笑っているけど、挙げられた場所って多分、動物園、映画館、水族館、プラネタリウムでしょ？定番デートスポット過ぎて困ったな。
「まあどこでもいいや。Aちゃんと会えれば」
『くせえ』
あはははとわたしの肩をバシバシ叩いてわらった。痛い。
ねえ、これも惚れさせる作戦なんでしょう？なんでこんな、友達みたいに、接してくるの。どうしてわたしは、このひとに心を開きかけてるの。
「おれは動物園がいい」
心を開いてはいけない、どうせもうすぐこうやって話す関係もおわるんだから、と自分に言い聞かせて。
『お好きにどうぞ』
そろそろ昼休みが終わるから、それだけ言い残して立ち上がったらまた掴まれる腕。この人は何回人の腕を掴むんだ。振り返るとこわい顔。
「なんで他人事なの」
『他人事です』
「土曜日、行く気ある？」
『…あると言ったら嘘になります』
項垂れたようにわたしの腕を離してベンチにどさっと座るユンジョンハン。
「動物園、いや？」
『動物園はいやではないですけど』
「じゃあ、なにがいや？おれがいや？」
傷ついた顔をするユンジョンハンがあまりにも可哀想でいたたまれなくなって、首を横に振るしか出来なかった。
「たのしみにしてるね」
物凄く悲しそうな顔でそう言って立ち上がると、わたしの肩にポンと手を置いて去って行ったユンジョンハン。
なんでそんな悲しそうな、傷ついた顔をするの。作戦なんでしょ。なんでこんな、胸がモヤモヤするの。わけわからない。もういやだ。
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ymu(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます。遅くなってごめんなさい。続編が出来ておりますので、よかったらどうぞ＾＾ありがたいお言葉、とても嬉しかったです。 (2019年7月15日 0時) (
レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - すごく面白いです。この小説自体の続編も作って欲しいです。終わってほしくない(;_;) (2019年7月11日 17時) (レス) id: e7101afbe1 (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - honeyさん» こんばんは、コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉たくさんありがとうございます！ご期待に応えられるよう更新していきますので続編もどうか楽しみになさっていてください^ ^ (2019年7月8日 22時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
honey(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく読ませてもらってます！ 更新されてないか確認しまくって、されてたらすぐ読んでますwコメ遅くなりましたがとっても応援してますので続きも楽しみにしてます！無理せず頑張ってください！ジョンハンさんがんばれ！女の子も自信持てるといいなあ (2019年7月8日 0時) (レス) id: 4ce9f94577 (このIDを非表示/違反報告)
ymu(プロフ) - ななさん» こんばんは。コメントありがとうございます！これからどうなるのでしょうか、わたしもたのしみです！たのしみにしていてください！^ ^ (2019年6月29日 20時) (レス) id: 89080e4533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ymu | 作成日時：2019年6月25日 13時
