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〈A! 起きて! メール見た?〉
〈メール見て! 寮の事務室のやつ!〉
〈ヤンヤンがスタンプを送信しました〉
〈ヤンヤンがスタンプを送信しました〉
〈ヤンヤンがスタンプを送信しました〉
…
朝起きると、カトクにヤンヤンからのメッセージがたくさん届いていた。
慌ててメールフォルダを開くと、ヤンヤンの言う通り、寮から連絡が届いている。
[学生の皆さんへ
共有のキッチンに設置されている冷蔵庫が故障しました。
食材を保管している方は、早めに引き上げてください。
よろしくお願いします。
学生寮 事務室]
〈みた!〉
そう返事を送るやいなや、ヤンヤンから電話がかかってきた。
「A? あれ、どうする?」
「どうするも何も、食べないとでしょ」
「食べないとだけどさ、食べきれないよ?」
「確かに…」
数日前、ヤンヤンと私は、近くのマートに行って食材を買い込んでいた。
「出前と外食ばっかじゃお金かかるもんんね」「一週間分ぐらいまとめて買っちゃおうよ」なんて言って、エコバッグにパンパンになるぐらい、たんまりと食べ物を買ったのだ。
「じゃあさ、寮のみんなでパーティーしようよ。みんなに食べて貰えばいいんじゃない?」
「あ、いいじゃん! 俺みんなに声かけとくからさ、先にキッチンに行っててくれる?」
「わかった!」
そうと決まれば、急いで支度しなきゃ。ささっと化粧を済ませると、エプロンを持ってキッチンに向かった。
キッチンに着くと、自分たちの食材をひとまずテーブルの上に並べてみる。
「やっぱり、多い、な…」
これを今から処理しなきゃいけないとなると、もう笑えてきちゃう。
「お待たせ! 10人くらい、来てくれるって返事もらったよ」
ぼーっと食材の山を眺めていると、後ろからヤンヤンの声がした。
「ありがとう! 結構来てくれるね!」
10人ならまぁ、私たち入れて12人だし、大丈夫か。ほっと胸を撫で下ろし、調理の準備に入る。
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作者名:ひゃんす | 作成日時:2024年2月5日 13時