スノーフレーク (ページ3)

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今日は韓国語の先生に会いに行く日。

韓国に来てから初めての一人旅。チケットの買い方がわかんなかったり、先生を待ってたら変な人に声をかけられたり、行く道もなかなかに波乱万丈だったけれど、なんとか辿り着いて。

オフラインで初めて会えて嬉しかったし、学校や博物館を案内して回ってくれて、滅多にない経験ができた。

充実した一日が過ごせたな〜なんて思って、ようやくソウルに帰ってきたんだけど。

「やっちゃった…」

「終点です」というアナウンスが流れる窓の外は、全然、馴染みのない景色。

「すみません、○○というバス停に行きたかったのですが…わたし留学生で、よくわからなくて…」

「反対のバスだよ。折り返すから、そのまま乗ってていいよ」

誰どうやら逆向きのバスに乗ってしまったらしい。運転手さんが優しくて助かった。

ヤンヤンに話していた家に着く時間がもうすぐ来てしまう。

〈ヤンヤン、私、バス間違えて逆のやつ乗っちゃったみたい〉

〈えぇ！大丈夫なの！？〉

〈うん、終点まで来ちゃったんだけど、折り返しのバスだったからそのまま乗ってたら着くって〉

〈そっか！よかった〉

〈でも、ちょっと遅くなっちゃうかも〉

〈わかった〜気をつけて帰ってきてね〉

運転手さんが休憩に行っている間、暖房と照明をつけておいてくれた車内で一人、バスの出発時間までヤンヤンとカトクして過ごした。

不安だった気持ちがちょっと落ち着いて、ほっと息をつく。

〈みて！視力検査の模様の目医者さんあった。かわいい！〉

再びバスが走り出すと、窓の外に見えたおもしろい建物の写真なんかも送る余裕が出てきた。

〈次でバス停つく〜〉

やっと見慣れた景色になってきて、ヤンヤンにまたメッセージを送る。

〈おかえり！〉

だんだんゆっくりになるバスの窓の外に、スマホを見ながら立っているヤンヤンの姿が見えた。

元々着くはずの時間から待っててくれたんだろうか。そうだとしたら申し訳なさすぎる。