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午後に履修している韓国語の授業が終わった。スマホを見ると、ヤンヤンからカトクが届いている。
〈早く終わったから先待ってるね〉
〈寒いよ〜〜〉
今日は学校の近くを散策しつつ、晩ごはんを食べに行く約束をしていた。
〈今終わった！ すぐ行くから待ってて〉
返信を送ると、急いで校舎の一階に向かう。韓国語の授業はヤンヤンとは別々だから、先に終わったほうがこうやって待つ形になる。
午前に受けてるグラフィックデザインの授業が一緒で、初日の授業の日に隣に座ったのがきっかけで仲良くなったヤンヤン。
私のほうが韓国語がちょっと得意で、ヤンヤンのほうが英語がちょっと得意だから、一緒にいると補い合えて丁度いい。
グラフィックデザインの授業は先生が英語で話すから、ヤンヤンが居ないと私、ちんぷんかんぷんだったかも知れない。
「ごめん！ 待ったよね？」
「んーん、いいよ！」
屈託のない笑顔を見せて、「さ、行こっか」ってドアを開けてくれた。
服屋さんに入ってああだこうだ言い合いながら試着したり、雑貨屋さんでおもしろい文房具を物色したりした後、今日の目的地だったごはん屋さんに入る。
外が寒かったぶん、あつあつのチゲが絶品だった。
「A、明日は韓国語の先生のとこ行ってくるんだっけ？」
「そう。地方だからちょっと遠いんだけどね」
明日は、留学前に日本で韓国語のオンライン講座を受けていた時の韓国語の先生に会ってくることになっている。
「一人で大丈夫？ちゃんと迷子にならずに行ける？」
「大丈夫だよ！ 子どもじゃないんだから」
むぅ、とふくれる私を見て、ヤンヤンは楽しそう。
「まぁ、何かあったら連絡して」
「うん、ありがとう。ヤンヤンもなんかあったらいつでも言うんだよ」
異国の地で、助け合うために一緒にいるような関係のヤンヤン。仲良くなってから、別々で行動するのは考えてみれば初めて。
友達のような、弟のようなヤンヤンをソウルに残して遠出するから、私としてもちょっと心配かも。
ごはんを食べ終えると、一緒に寮に戻ってそれぞれの部屋へ帰る。
〈ヤンヤン、おやすみ〉
〈ん、おやすみ〉
〈早く寝るんだよ〉
寝る準備を済ませて布団に潜ると、ヤンヤンのおやすみを確認してから眠りについた。
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作者名：ひゃんす | 作成日時：2024年2月5日 13時
