*125*カフェエプロン ページ42
「話は聞いてるわ、ずっと会いたかったのよ!やっだぁ、そらるってばそうなら最初からそうと言ってくれればよかったのに!」
「いや、説明する暇を与えなかったのはどこの誰かなー」
また胸倉掴んだりなんやりが起こりそうだったので、急いで口を挟む。
『えっ、えっと…お名前は…』
その声に、彼女はどうやら気づいてくれたようで。
くるんと可愛らしく振り向いて、にっこり笑う。
「ろんって名前で歌い手やってます!そらるとも結構コラボしてるのよ?」
『うわわわっ、ははは、はじめまして…!』
再度お辞儀をする私の肩を持って自分と向かい合わせ、ろんさんは鈴のような笑い声を上げる。
「やだぁ、かしこまらなくていいのに!お姉さんそんなに怖くないわよ?」
…そらるさんの“それはどうかな”というつぶやきは、聞こえなかったことにしよう。
すると、ろんさんがふっとそらるさんの方を見て。
「で?何の内緒話をしにここに連れてきたワケ?お茶くらい飲ませてもいいんでしょうね」
「ああ、頼む。んー…管理人について、かな」
その一言で、ろんさんは納得したような表情を浮かべると。
「ねえAちゃん、紅茶とかって大丈夫?」
『あっ、大丈夫です!』
私の返答に満足したのか、ろんさんは近くの椅子にかけてあったカフェエプロンをとった。
可愛らしい黄色のエプロンだ。
後ろでリボンを結びつつ、ろんさんはそらるさんに言葉を投げる。
「あんたはコーヒーよね。あ、カウンターに座って頂戴」
「了解」
その声とともに、そらるさんに再び手をとられる。
彼はカウンターの前の椅子を引き、紳士的に笑った。
「どうぞ、姫?」
『…っ、』
思わず赤面。
…そのあと、そらるさんの頭に見事命中したメニューに目を見張った。
おくのキッチンから、ろんさんの声が聞こえる。
「言っとくけど、純粋な女子大生に手ェ出したらこんなんじゃ済まないからね!」
そらるさんはそれを聞き流しつつ、私の隣に座った。
――――――――……本題に、入る。
身構える私に、そらるさんは笑顔を向ける。
裏なんて、読めない。
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れいみ - マロウティーじゃなくて、ブルーマロウティーじゃないですか?面白いです!!! (2015年1月24日 11時) (レス) id: 2cb0f8c71d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - 凄く面白かったです。続きが気になります (2014年12月13日 13時) (レス) id: cb7f69fdd1 (このIDを非表示/違反報告)
you - そらるさんの行きつけのカフェの扉に掛かっている札のcloseを、ころせと一瞬読んでしまった俺って…あ、滅茶苦茶おもろいです!赤飯さんフラグがたってほしい… (2014年8月22日 1時) (レス) id: ecf94ec9d3 (このIDを非表示/違反報告)
ふっきゅん - お気に入り登録しましたー
あと、twitterフォローありがとうです。 (2013年10月26日 20時) (携帯から) (レス) id: a54ffcd222 (このIDを非表示/違反報告)
ゼネ(プロフ) - 面白いでっす!!・・・どうやったら歌い手になれるかな・・・・・・ (2013年10月16日 18時) (レス) id: cc0c9cbec2 (このIDを非表示/違反報告)
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