＊１２４＊カフェで ページ41
そらるさんが帽子なんかかぶせるから、たくさん人がいるのだろうと思っていた裏口は実際にはあまり人がいなくて。
けれど、つないだ手を離さないそらるさんには困る。
――――そして、つれてきてもらったのは、お洒落な…カフェ？
時計を見る。
もう夜の7時。カフェがこんな時間にやってるものなのだろうか。
案の定、扉には「ｃｌｏｓｅ」の札がかかっている。
これじゃ、だめじゃないか…？
そう思ってそらるさんを見上げる。
そらるさんはそれに気づいたのか、ぱちりとウィンク。
「だーいじょうぶ。俺の行き着けだから」
『え…！？』
ドアの前で止まる私の手を引いて、店に入るそらるさん。
シャラン、と上品に鈴が鳴る。
そらるさんが、軽く手を上げる。
「いるでしょー？」
その声に、奥から出てきたのは――――
「いるわよ。ったく、急に来ること多すぎんのよそらる！」
きれいなふわふわの茶髪を揺らした、気の強そうなまっすぐな瞳の女性。
可愛らしい顔立ちに、それと似合った可愛らしい声。
小柄な体躯は、なんだか妖精を彷彿とさせる。
そんな彼女はずかずかとそらるさんに近づき―――――――…
『っっ！？』
「っうわ！」
「あんたね〜〜〜〜〜っ、“もうすぐ行くからよろしく”ってバッカじゃないの！？電話一本フリーダイヤルお手軽に何時でもどうぞってか！ふざけんな！私は便利屋じゃないのよこのド阿呆！」
「あはは、ごめんってごめんって」
そらるさんの胸倉をぐわっと掴み、すごい剣幕で怒鳴りだした。
――――――――絶句である。
しかし、ここは存在を消すしかない。
息を殺し、なるべく存在感を消す。
…すると。
「…いいの？VIPゲストいるけど」
「大体あんたは昔から―――…
え？」
そらるさんの声とともに、彼女がこちらを向く。
その顔が、サーッと青ざめていくのがわかった。
な…なに！！？？
次の瞬間、さらにガクガクとそらるさんをゆする。
「誰！？彼女！？あんたの！？もったいないわよこんなかわいい子！どこでつかまえてきたの！？」
「いやぁ、彼女だったらいいんだけどねぇ…」
「は！？」
ぐいん、と物凄い勢いで彼女の首が私を向く。
ビクリ、と思わず肩を揺らす。
――――――――…と。
「もしかしてっ、…A、ちゃん？」
『あっ、はい！』
かけられた声に、私はぺこりとお辞儀。
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れいみ - マロウティーじゃなくて、ブルーマロウティーじゃないですか？面白いです！！！ (2015年1月24日 11時) (
レス) id: 2cb0f8c71d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - 凄く面白かったです。続きが気になります (2014年12月13日 13時) (レス) id: cb7f69fdd1 (このIDを非表示/違反報告)
you - そらるさんの行きつけのカフェの扉に掛かっている札のcloseを、ころせと一瞬読んでしまった俺って…あ、滅茶苦茶おもろいです！赤飯さんフラグがたってほしい… (2014年8月22日 1時) (レス) id: ecf94ec9d3 (このIDを非表示/違反報告)
ふっきゅん - お気に入り登録しましたー
あと、twitterフォローありがとうです。 (2013年10月26日 20時) (携帯から) (レス) id: a54ffcd222 (このIDを非表示/違反報告)
ゼネ(プロフ) - 面白いでっす！！・・・どうやったら歌い手になれるかな・・・・・・ (2013年10月16日 18時) (レス) id: cc0c9cbec2 (このIDを非表示/違反報告)
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