＊１２０＊舞台袖で �� ページ36
―――――――まさか、まさかあんなところで叫ぶなんて。
目立ちたくないなんて言ってたのがうそのようで。
でも、それだけ嬉しさは大きくて。
あのとき、叫んでくれたのはきっと96ちゃんだ。
ううん、絶対に96ちゃんだ。
顔を合わせたら、謝るのと一緒に、ありがとうと言おう。
私は、袖で目元を拭うと、舞台袖の通路を通る。
スタッフさんが誘導してくれて、少し広いところに出た。
――――――――と。
「Aっ！！」
いつもはめったに声を上げない灯油さんが声をあげ、駆け寄ってくる。
驚いて立ち止まる私を、灯油さんは―――――――――――
『っっ！？』
アンさんが、“わーお”なんてのんきに間延びした声を上げる。
そうだ、周りにはこんなに人がいるのに。
「お前の演奏、最高だった…！」
『ちょ、灯油、さんっ…！』
さ、最高と言ってくれたのはうれしい。むしろうれしい以外の何者でもない。
でも、それでも。
――――――……こんなにきつく、でもやさしく抱きしめるのはやりすぎじゃないですか？なんて。
私の心拍数がどんな大変なことになっているかを今言葉にして言えたらどんなにいいか。
だって、灯油さんのしっかりと鍛えられた、でもしなやかな力強い腕に抱きしめられて。
それで、耳元で最高だなんて囁かれたらたまったもんじゃない。
すると、ばりっと引き剥がされる。
ほっと胸をなでおろす。
引き剥がしたのは、なんとしゃむくんだった。
「灯油さんっ…A困ってますし、近い、ですっ…！」
「あぁ…ごめんな」
『あっ、いえ！』
灯油さんに変な気があったわけではないことは分かっている。
私は必死に首を横に振った。
そしたら、後ろからまわされる腕。
「はいは〜い、Aを独占していいのは俺だけだからね」
「誰がやねん」
それは、どうやらそらるさんのようで。
色っぽい声に、赤飯さんが突っ込む。
ごもっともである。
――――…でも、はじめてみるひとも、松下さんやスズムさんも。
私に拍手を送ってくれていて、本当に、…歌ってよかった、と思った。
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れいみ - マロウティーじゃなくて、ブルーマロウティーじゃないですか？面白いです！！！ (2015年1月24日 11時) (
レス) id: 2cb0f8c71d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - 凄く面白かったです。続きが気になります (2014年12月13日 13時) (レス) id: cb7f69fdd1 (このIDを非表示/違反報告)
you - そらるさんの行きつけのカフェの扉に掛かっている札のcloseを、ころせと一瞬読んでしまった俺って…あ、滅茶苦茶おもろいです！赤飯さんフラグがたってほしい… (2014年8月22日 1時) (レス) id: ecf94ec9d3 (このIDを非表示/違反報告)
ふっきゅん - お気に入り登録しましたー
あと、twitterフォローありがとうです。 (2013年10月26日 20時) (携帯から) (レス) id: a54ffcd222 (このIDを非表示/違反報告)
ゼネ(プロフ) - 面白いでっす！！・・・どうやったら歌い手になれるかな・・・・・・ (2013年10月16日 18時) (レス) id: cc0c9cbec2 (このIDを非表示/違反報告)
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