＊１１３＊いつか、もっと先の ページ28
Aという名前を出したとたん、彼女の顔が歪んだ。
隣で、ナノさんが「アタリっぽいね」と呟く。
「いいも何も…私には関係、」
「あるから言ってるんやけど」
…あ、赤飯がキレた。
呑気にもそんなことを思う。
赤飯は冷たい目で彼女を蔑むような口調で言葉を投げる。
「あんな、言っとくけどお前のせいでAは歌えへんくなったんや。それがどんなことか分かるか？他人の幸せ奪ってよくそんな平然と―…」
「赤飯」
「…っ」
静かに制するアンさん。
怯えている彼女を見てだろう。
しかし、それは同情なんかじゃない。
「というわけで―…いいですよね？」
そして、最後のアンさんの笑顔と共にこの凄み。
彼女は、ビクリと肩をすくませて頷いた。
――――けれど、ナノさんがこのままなんかじゃ終わらせない。
ナノさんは、俺の隣で静かに怒りをためていた。
「ねえ、俺はあんたにどんな事情があったか知らないしさ、」
“あんた”“俺”
ナノさんの口から出たその言葉に目を見開く。
ナノさんがまさかそんな言葉を発するなんて。
…まあ、この状況下、仕方ないのかもしれないけれど。
「Aって子があんたにとってどんな脅威だったかなんて知らない。けど人を傷つけるってのは人間として最低な行為だ」
アンさんが、フッと笑う。
ナノさんは、それに落ち着いたような表情を浮かべて。
「―…だから、…このこと、絶対忘れないで。Aのことも、あんたがしたことも。ぜんぶ」
そう言った。
彼女は、ばつが悪そうにうつむく。
やっぱり、さっきで反省したなんて絶対無かったのだろう。
「さてっ、行こうか」
ここで少しだけ空気を柔らかくするのは俺の役目だ。
そう思って笑う。
呆然と立ち尽くす彼女が、Aのことをいつか憎まなくてすむようになることを、願って。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
主人公ちゃん復活をコメ欄で祝ってくださってる…！
やばい！嬉しいです！
みんなで盛り上がってくれてありがとうございますーー！
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れいみ - マロウティーじゃなくて、ブルーマロウティーじゃないですか？面白いです！！！ (2015年1月24日 11時) (
レス) id: 2cb0f8c71d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - 凄く面白かったです。続きが気になります (2014年12月13日 13時) (レス) id: cb7f69fdd1 (このIDを非表示/違反報告)
you - そらるさんの行きつけのカフェの扉に掛かっている札のcloseを、ころせと一瞬読んでしまった俺って…あ、滅茶苦茶おもろいです！赤飯さんフラグがたってほしい… (2014年8月22日 1時) (レス) id: ecf94ec9d3 (このIDを非表示/違反報告)
ふっきゅん - お気に入り登録しましたー
あと、twitterフォローありがとうです。 (2013年10月26日 20時) (携帯から) (レス) id: a54ffcd222 (このIDを非表示/違反報告)
ゼネ(プロフ) - 面白いでっす！！・・・どうやったら歌い手になれるかな・・・・・・ (2013年10月16日 18時) (レス) id: cc0c9cbec2 (このIDを非表示/違反報告)
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