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*99*アイコンタクト ページ14

「あーもう…緊張する緊張する緊張する緊張する」

朝から、しゃむくんの緊張度は半端じゃなかった。
食卓には、今日も全員そろっていて。

いつもどおりの空間、しかし少しだけ空気が違う。
それは、やっぱり今日のライブと無関係とはいえないのだろう。

すると、灯油さんがゆで卵を剥きながら。

「あんま肩に力入れんな、しゃむおん」

そう、無表情で言った。

少し表情が緩むしゃむくん。

「そうそうっ。緊張も楽しんじゃうくらいの勢いでいけばいいんだよっ」

アンさんもニコニコ笑って気楽そうに言う。

それに、自然と雰囲気も和らいだ。

すると、天月君がふと口に出す。

「ねえ、Aってライブ来るんだよね?」

急にふられた話に驚きつつ、私は急いで口に入っていたトーストを牛乳で流し込み。

私は、最初誘われたら絶対に言わなかったと思う答えを口に出した。

『うん、行くけど…どうして?』

今朝、96ちゃんにチケットを渡した。
どうやら96ちゃんももらいわすれていたことに気づかなかったそうで、ずいぶんとお礼を言われたが、それはしゃむくんに言ってほしい。

天月くんは、ホッとしたような表情を浮かべて。

「ううん、いや、ライブとかボカロとかきついのかなって…ほら、…やめた理由とかも、俺にはよくわからないけど」

その言葉に、胸のおくがズキンと疼いた。

そうだ。
天月くんがこんなに心を許してくれているのに、私は。

ちっとも自分の事情を話していないではないか。


罪悪感に、顔を伏せそうになったとき。




「大丈夫だよ天月くん。僕、きちんと昨日Aに確認とったもん」



―――…助け舟をだしてくれたのは、しゃむくんだった。

まあ、時間的に正式に言えば今日だが、そんなことはこの際どうでもいい。

そうなの?と聞いてきた店長に曖昧に笑いながら頷いて、私はしゃむくんに目でお礼を言った。

しゃむくんは、緊張してこわばった顔を一瞬だけ微笑みに変える。

――――――――少し。

ほんの少し、ほんの一瞬だけ。

深夜のしゃむくんの話を思い出し、動きが止まる。

…でも、今日はライブである。

しゃむくんの大事な舞台である。


とりあえず、今はこのことは忘れよう、なんて。

そんなことを思っていた私は、まふくんが隣で彼に似合わない深刻な表情をしていたことなんて。

気づかなかった、のである。

*100*甘い彼の思惑→←*98*白む空



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れいみ - マロウティーじゃなくて、ブルーマロウティーじゃないですか?面白いです!!! (2015年1月24日 11時) (レス) id: 2cb0f8c71d (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - 凄く面白かったです。続きが気になります (2014年12月13日 13時) (レス) id: cb7f69fdd1 (このIDを非表示/違反報告)
you - そらるさんの行きつけのカフェの扉に掛かっている札のcloseを、ころせと一瞬読んでしまった俺って…あ、滅茶苦茶おもろいです!赤飯さんフラグがたってほしい… (2014年8月22日 1時) (レス) id: ecf94ec9d3 (このIDを非表示/違反報告)
ふっきゅん - お気に入り登録しましたー あと、twitterフォローありがとうです。 (2013年10月26日 20時) (携帯から) (レス) id: a54ffcd222 (このIDを非表示/違反報告)
ゼネ(プロフ) - 面白いでっす!!・・・どうやったら歌い手になれるかな・・・・・・ (2013年10月16日 18時) (レス) id: cc0c9cbec2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年4月7日 10時

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