彼女の幸福理論大人組 (ページ44)

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35話ページ44

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その声はAの物では無く、聞き覚えの無い男の声。

上から青と黒のエイリアボールが落ちて来て、地面にぶつかる前に浮遊し眩しく光った。

俺達が目を瞑っている間に、光良や貴志部達、ダークプラネットは居なくなり知らない少年が一人立っていた。

「…はぁ…予想外です。」

その少年はとてもつまらなそうにため息を着き、此方を向いた。

「彼奴等はもう少し持ってくれると思いましたが…

貴方達は思っているより強かった様で。」

少年は金色の仮面の下で「フフ…」と笑った。

そしてその少年の背後に青い光が現れた。

俺はその人物を見ると同時に凍てついた。

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「…ジャッジ。

無駄話はいらん、さっさと話すだけ話せ。」

俺は思わずその人物の名を呼んだ。

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「…っA！！」

俺の叫び声に近い呼び掛けにAは反応した。

そして酷く冷たい瞳で俺を見下ろした。

「…俺はクリロだ。

真・エイリア学園、スペースランクチーム…コズミックダストの副キャプテン。

…風丸一郎太。」

Aは俺の名を呼ぶ。

「貴様を…貴様等を……絶望に突き落としてやる！！」

そんなAを宥める様に前に立つジャッジと呼ばれた少年。

「ジャッジ…邪魔をするな！！」

「落ち着け。

…私はジャッジ、コズミックダストのキャプテンだ。

今度、戦う時を楽しみにしているよ。」

ジャッジの表情は笑顔だがその瞳は全く笑っていなかった。

そして、青い光が発され俺達が目を瞑っている内に消えてしまった。

「…っA！！」

何で、あんな風になる前に助けてあげられなかったんだ。

何で、Aの苦しみに気付けなかったんだ。

何で……

今になって後悔が押し寄せる。

目には涙が溜まっていた。