彼女の幸福理論大人組 (ページ23)

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20話ページ23

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こんな緊急自体に二人で探せる訳が無いと思い、円堂達にもAを探して貰う事にした。

『Aが行方不明になった。

北海道で行方が分からなくなったが、何処か違う場所に連れて行かれたのかもしれない。

探すのを手伝ってくれ。』

全員に一斉メールを送信し、俺は携帯を閉じた。

「これは誘拐の可能性もある。だから警察に…」

「風丸君。」

腕を掴まれた。
何だ、と思い聞く。

「…Aちゃんは捨てられた子供だよ。

それが分かるとAちゃんの両親…君の両親は捕まる。

捨てられた事を秘密にしておいても、またAちゃんは同じ様な目に合うんだよ。」

同じ様な目…

虐待…再び捨てられる…

「……っ少し考える。」

「…うん。

でも僕は誘拐の可能性は低いと思うよ。」

吹雪の考えに耳を傾ける。

「多分だけど…Aちゃんには『イナズマレジェンドジャパンの風丸一郎太の妹』、って言う名目があるからね…

その名目を使って何かさせようとしてる、とか…」

そういう考え方か…

俺も考えを張り巡らす。

「…もしかして、俺への恨みを持ってる奴の復讐…？」

すると街のビルのテレビにとあるニュースが流れ込んだ。

『十年前の宇宙人襲来事件後の、少年達にドーピングを乱用させた疑いがあるとして逮捕されていた、

“研崎竜一”容疑者が“逃走”しました。』

そのニュースに俺達は顔を見合わせる。

「…これだな。」

「うん。」

俺達は研崎の居場所を突き止めようとヒロトに頼み富士山を見て貰った。

『御免ね…何も無かったよ。』

「…そうか。」

だが、全く収穫も得られず時間だけが過ぎていった。