彼女の幸福理論大人組 (ページ22)

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19話ページ22

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…だが、今の俺には選択何て無かった。

トン…

研崎さんの手に自身の手を置く。

研崎さんはニッコリと笑った。

憎しみ、恨み、悲しみ、辛さ…

感情が入り混じり、“復讐”と言う形になった。

すると、意識がふっと消えた。

ーーーーー

日は跨ぎ、次の日…

俺はやっと北海道に着いた。

駅で約束している吹雪は俺を見つけると、焦った様な顔をして俺に近づいてきた。

「風丸君…！！」

「どうした吹雪。Aは？」

次に吹雪の口から発された言葉に俺は凍りついた。

・

「Aちゃんが…昨日から帰って来てないんだ！！」

「…は…？どういう、事…だよ…」

吹雪は下を向き、話す。

「…昨日の夕方、僕がお使いに頼んだんだ。

でも、それっきり帰って来なくて…」

そこに「先輩！」と、誰かの声がした。

藍色の髪…白恋中の雪村か。

「…あの、先輩。Aって今何処ですか？」

「！……Aちゃん、昨日から帰ってきてないんだ。」

その言葉に雪村は目を見開く。

そして雪村は何かを見せた。

「昨日、塾行く前にAに会ったんです。そしてお使いを手伝って別れました。

…塾の帰りに、商店街を通ったらこれが…」

ビニール袋の中には豆腐と大根が入っていた。

これが恐らくAが頼まれたお使いの品だろう。

その現実に再び目の前が真っ暗になった。

「…本当に御免、風丸君！！僕が夕方に女の子一人で外に出させたから…」

必死に頭を下げる吹雪を見て、俺は静かに言った。

「…探すぞ。」