実技試験 ページ6
「森で不気味な人を見た？」
「人、かは分からないけどそうなんだ」
試験も近付き、Aがテスト勉強をしていると、ハリーとロンがやって来た。
「そんな中でテストなんて、全くさ」
「ロン、ハーマイオニーは？」
「1人で勉強したいから、暫く話し掛けないでくれって。Aは得意科目はあるの？」
ロンに問われてAは……。
「魔法史、かな？」
「ええ！ あの覚えるやつが多い！？」
「魔法界からの人にしたら、常識かも知れないけど、そうでない人からは珍しくて」
魔法史は特に、Aのお気に入りの授業だった。
杖を使って呪文を唱える、も楽しい。
だが、ここではない世界で、魔術の修行に励むに当たって、その歴史なんかをも学んだ事がある。
ので、Aにとって魔法史は得意科目だった。
魔術を教えてくれたのは、兄である慎二と父親代わりである綺礼だったが、凛や士郎にも時々ではあるが教えてくれた。
彼らは今、どうしているのだろうか？
そんな事をぼんやりと考えながら、Aはテスト勉強に勤しむのだった。
実技試験は、どれも高難易度だった。
ちゃんと勉強してはいても、呪文を唱えて物を動かしたり、物を変換させるというものは上手くいかない。
特にAが失敗したのは、スネイプの試験だ。
忘れ薬を作るという試験だったのだが、後ろからマジマジと見てくるので、その視線が気になって調合が上手く出来なかった。
他の試験は、完璧にではなくても上手く出来た方であるとは思う。
「ふぃー、終わった終わった」
試験終了の後、スーザンとAは校庭の椅子に座ってのんびりしていた。
「試験も終わったし、これで暫くはのんびり出来そうね」
「そだね。あれ、ハンナ？」
スーザンが駆け寄って来るハンナを見て、声を掛ける。
「どうしたの」
「A、クィレル先生が呼んでる。テストの事で質問があるんだって」
分かったとAは頷いて席を立つ。
「テストの後にまたテスト関係で呼び出される、ってやだよね」
「先生が呼んでるから行かなくちゃ。じゃあまた後でね」
スーザンにそう応じて、Aはその場を離れる。
それからいくら待っても、Aが帰って来る事はなかった……。
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作者名：カフェラテ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時：2020年9月5日 10時
