その道の先へ－賢者の石②－ (ページ2)

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クリスマス・プレゼントページ2

大広間でクリスマスメニューを中心とした昼食を摂り、寮に戻るとクリスマス・プレゼントが届けられていた。

談話室の丁度真ん中に、小さなクリスマスツリーがあり、それを囲む様にして置かれていた。

プレゼントは主に、親友達からだ。

スーザンからは薔薇の髪留め、ハンナからは動物の形を象ったクッキー、ジャスティンからは雪の印が入った青い手袋とマフラー。

そして送り主の名前が無い、長方形の箱が。

友達からのプレゼントの箱よりも、一段と大きかった。

蓋を開け、Aは思わず目を見張る。

「うわぁ……何これ？」

中から出て来たのは、黒いネグリジェだった。

レースが施されており、如何にも高級品だと言うのが一目で分かる。

マジマジと見ていると、あのキレイの声が聞こえた。

「貴族の知り合いでもいるのかね？」

「えっ、わっ！キレイさん！」

Aの隣に、キレイが立っていた。

「何で……というか、いつの間に！」

「何故か杖から出て来る事が出来てね。君の魔力のせいか。
して、貴族の知り合いは？」

「えっと……。いるにはいますけど」

ハッフルパフには何人か、スリザリン程でないにしても、貴族はいたはずだ。

だが、こんな大人っぽい衣装を贈る風態の人達は、いなかったと思う。

自分で言うのもなんだが、Aを大人の女性として見る人はいなかったと思っている。

着るには早すぎると思いながら衣装を箱にしまおうとした時に、1枚の紙が入っていた。

どうやら衣装に見惚れてて、気付かなかったらしい。

紙を手に取り、読んでみると。

「大人になったら着て、是非とも見せて欲しい……これだけ？」

紙の裏面を見ても、それ以外の事は書いていなかった。

送り主も無く、紙にはそれだけ。

なんだか……。

「気味悪いわね」

「捨てるのかね？」

「送り主が判明するまで、一応取って置くわ」

Aは黒い不気味な箱を、取り敢えずは一旦脇に避け、残りのプレゼントに取り掛かった。

セドリックからは、赤いリボンの施された可愛いブローチが送られていた。