最後の一手 ページ12
「なん、で倒せないの」
ジルはあらゆる技を駆使して、ウィリアムを倒しに掛かった。
しかし殆どの技は掠めただけで、致命傷には至らない。
へたりとその場に座り込んだジルに、ウィリアムは。
「もう諦めて下さい。
貴女は神の力を失った。どんな技法を持ってしても、僕には……あの人達には勝てない」
あの人達、と言う言葉を聞いて、ジルはぎりっと歯軋りする。
言わずともAやアルバートの事だろう。
「本当に私が、全ての力を失ったと思ってるの？」
「？」
立ち上がったジルは、意味深な笑みを浮かべてウィリアムを見る。
「今までのは最後の一手を温存する為の、ただの足掻き。
これからが本番よ」
ジルはウィリアムに杖を向けた。その途端、彼の足元がひび割れ始める。
ひび割れから出て来たのは、無数の薔薇の蔦。
ウィリアムの体に絡み付き、自由を封じる。
「ぐっ……」
「動けば動く程、その蔦は貴方を締め付けるわ。
ふふ、残念だったわね、私を倒せなくて。
私はまだやる事あるから、ここで倒れる訳にはいかないの」
そう、あるあるに乗っかった夢主は、ここで死ぬ訳にはいかない。
彼が動けないと判断したジルは、くるりと背を向け立ち去ろうとした。
勝利を確信したジルは、正に油断しきっていたのだ。
数歩進んだ所で、背後に人の気配を感じた。
振り返りその存在を認めたジルは、驚愕を露わにする。
「嘘ッ！？ 動けないし、蔦は取れない……」
筈っと言い掛けたジルであったが、ウィリアムの悲惨な姿を見て言葉に詰まった。
無理矢理蔦の群れから自身を引き剥がしたのだろう、身体のあちこちから赤い液体が漏れ、頭からも流れている。
「傷付こうとも、命があれば構わない。例え手や足を失っても。
僕が……いえ、私がこれまで人生で学んだ教訓です」
「ば、化け物！ 怪物！！
ヒッ、いや！ 離して離してよーー！！」
身体を引き剥がして尚、どこにそんな力がと言うぐらい、ウィリアムはジルの手首を逃げられない様に掴む。
真顔で見つめられて手首を掴むウィリアムは、ジルの言葉通り怪物に等しい。
「ここで私が、王道夢主が死ぬ訳にいかないのよ！
助けて、誰か！！ 王道に沿ってる私を助けて！！」
そうジルが言い放った瞬間、彼女は白く眩い光に包まれた。
その線香は、近くにいたウィリアムをも巻き込みーー。
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カフェラテ@夜勤確定?(プロフ) - ベルモットさん→コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです（╹◡╹） (2022年12月25日 21時) (
レス) id: 0416b00b3c (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。私の夢小説を態々お読みになって下さいましてありがとうございます。私もカフェラテさんのハリポタシリーズを楽しんで読んでいます。お互いに頑張りましょうね。 (2022年11月30日 13時) (レス) id: 9942db35dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁ホームズ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時：2022年9月30日 15時
