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41話 ページ45

それからさらに時が過ぎ___今度は、愛する恋人、うちはイタチと、本当の家族のように慕っていたうちはフガク、ミコトを失った。


特に大きかったのは、うちはイタチだろう。
死んだわけではないが……いや、死んでしまうよりタチが悪い。里を、Aを裏切ったのだから。


うちはイタチは、彼女の唯一の心の拠り所だったと思う。
強がりな彼女が、唯一自分を見せられる相手。唯一、泣くことができる居場所だったと思う。

それを失い、彼女はとうとう弱気になる場所を失った。




今度は一人、暗闇の中で泣いているんじゃないか……。
なんとなく、そんな想いがあり、俺はある夜彼女の元を訪ねた。


すると、彼女は家の前でぼんやりと月を眺めていた。その瞳はかすかに光っていて_泣いている、とすぐにわかった。

なんと声をかけようか頭の片隅で考えながら、静かに近づくと、彼女は俺に気がついた。


「あれ、カカシさんだ。どうしたの?こんな夜中に」

こちらを振り向いた彼女の顔は、いつも通りだった。

涙なんてどこにもなくて、本当に何もなかったんじゃないかと思ってしまうくらいいつも通りだった。


大丈夫か、と聞くと、彼女は不思議そうに首を傾げた。

「何が?……あぁ、もしかして彼のこと?やだ、カカシさん、心配してきてくれたの?」

可笑しそうにコロコロと笑う。

茶化してくるのを咎めるようにじっと見つめると、彼女は笑うのをやめた。


「もう、いいの。あんな、里を裏切って家族を殺した人なんて。そんなことより、私はナルトとサスケのことを考えなくちゃ。
……本当に、もう気にしてないから!」

ね?と再びにっこり笑う。
その表情には、強がりは見えなかった。


しかし、あんなに大好きだったあいつのことを、こんなにすぐに忘れるだろうか?
そう考えても、その真意をうかがい知ることはできなかった。


このときから、俺は彼女が分からなくなった。



きっとAは、何か大切なことを隠しているんだと思う。しかし、それが何かは、何年経とうと、何度考えようと少しもわからない。



Aは、「両親の忘れ形見であるナルトを守る」と言うが、彼女だって二人の大切な忘れ形見だ。


頼まれたわけじゃない……だけど、いつのまにか苦手だった少女は、妹のように大切な存在に変わっていた。





俺は、この日から、波風Aを守ることを、密かに誓っている。

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紗菜 - 続き、待ってます。 (2022年12月13日 23時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ワス - 応援してます(˘ω˘ ) (2022年2月7日 9時) (レス) @page47 id: f51baff03e (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - もう大好きです!絶対続編読みたいです!もうやばいで大好きいいいいいいい!!! (2019年9月26日 0時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます!おもしろいと言っていただけて本当に嬉しいです!とてもやる気が湧いてきました! (2019年6月14日 19時) (レス) id: f204811481 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いです。更新頑張ってください! (2019年6月13日 7時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:センカ | 作成日時:2018年10月21日 18時

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