35話 ページ39
カカシさんはしばらく視線をしばらく彷徨わせた後「あーー」とうなってそっと私の手を離した。
私は再び服に手をかけると、ハラリと前をはだけさせた。カカシさんは気を使ってくるりと後ろを向く。
血の匂いがする忍服を「うぇー」と言いながら着ていく。そして、いつものように身体中に忍具を忍ばせていく。
「……あのさぁ」
「はい？」
カカシさんは後ろを向いたまま、「聞きたいことがあるんだけど」と話し出した。
「Aさぁ、あそこで一体……誰とやりあったわけ？俺、Aがそんなボロボロになるところ、初めて見たんだけど。只者じゃないよね」
「…………大蛇丸よ」
そう言うと、カカシさんは眉根を寄せて難しい顔をした。
「どうしてAちゃんがあの人と戦ったわけ？と言うか、なぜあの時点で大蛇丸の存在に気付いていた？
………A、お前、何か知ってるな？」
「何かって、なに？」
「ヤツの狙いがサスケだと言うこととか」
私が戦った相手が大蛇丸だと分かった途端、カカシさんは隠し立てをやめたようだ。
着替えが終わった私の方に向き直り、片目ながらも厳しい視線を向けられた。
「もちろん、知ってるよ……サスケのワケって言うのが、大蛇丸の呪印ってこともね」
「どこで知った？今さっきまで寝ていたお前がそれを知る機会はないはずだ」
「だから、大蛇丸と対峙したときに直接聞いたのよ」
目を見ると言いたくないことも言ってしまいそうで、誤魔化すようにお茶を淹れる。
カカシさんにもどうぞ、と差し出すと、ベットの横の椅子に座った。
「しかし解せないな……どう言った経緯で大蛇丸に対峙した？」
「警備してたら大蛇丸に出会っちゃったのよ。ちょうどサスケを襲う計画を聞いちゃって…」
カカシさんはふぅん、と相槌を打ってそれ以上追求して来なかった。
怪しんではいると思うが、まさか前世から知っているとは思うまい。うまく誤魔化していればなにも起きない……
そろそろ家に向かおうとグイッとお茶を飲み干した。
「それじゃあ、カカシさん。私は行きます」
「あぁ……A、お前は…」
カカシさんはその先を言わなかった。
軽く頭を下げて、カカシさんを病室に残したまま病室を出た。
「お前はいつも、独りだな……」
ぴしゃりとしまったドアに掻き消され、その声は届かなかった。
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紗菜 - 続き、待ってます。 (2022年12月13日 23時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ﾜｽ - 応援してます(˘ω˘ ) (2022年2月7日 9時) (レス) @page47 id: f51baff03e (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - もう大好きです！絶対続編読みたいです！もうやばいで大好きいいいいいいい！！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます！おもしろいと言っていただけて本当に嬉しいです！とてもやる気が湧いてきました！ (2019年6月14日 19時) (レス) id: f204811481 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いです。更新頑張ってください！ (2019年6月13日 7時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2018年10月21日 18時
