【歌い手×まどマギ】嘘。【まふまふ】

嘘15。 ページ16

扉の外から声がした。

「誰かと話してるの？誰かいるの？」

「ごめん、独り言！」

と、返しておいた。
危なかった。

「A、別に声に出さなくてもテレパシーで話すこともできるよ」

キュゥべえ、言うのが遅い。

ーーーーーーーーーー
テレパシーは《》で表していきます。
ーーーーーーーーーー
《A、今日は無理そうだけど、明日からは魔女退治に行ってくれ。そう伝えに来ただけだよ。》

そっか。

《じゃあ、またね。》

ばいばいとだけ伝えて、風呂を上がる。

服を着たり、髪を乾かしながらまふくんについて考えた。

今優しくしてくれているのは願いのおかげ。
それがバレたら嫌われてしまうかも。
絶対に隠さなきゃ。

そもそもまふくんと付き合えてもそれは本当の愛なのだろうか。

私の願いによる、“嘘“ではないのだろうか。


やめよう。せっかく憧れのまふくんと同居できたんだ。


リビングに行くと、まふくんが黙々と作業をしていた。
どうやらこちらに気づいてないらしい。

「まふくん？お風呂上がったよ。」

「んー？わかったー。」

まふくんは軽く返事をしてパソコンを閉じた。
そのままお風呂に行ってしまった。

明日から魔女退治に行かなくちゃならないのか……
なら、なんとかして1人で外出しなきゃ。
散歩、とでも言って行こうかな。

嘘、つかなきゃな。


もう、嘘をつくことを後ろめたく思わないでおこう。

大丈夫。私は悪くない。

お風呂の扉越しにおやすみ、とだけ言って自室のベッドに入った。

おやすみなさい。

嘘16。→←嘘14。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す