シェアハウス！ (ページ9)

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◆ 1 mとo ページ9

(o目線)

いつだって先陣切って歩いてくれてる、自慢の末っ子。ストイックで、気にしいで、細かくって、自己中に見える時もあるかもしれないけど、根っからの素直な真面目っ子なだけなんだよ。
真面目だからこそ凝り性で、素直だからこそ時々自分を飾らなさすぎる。‥それが松潤の良いところで、おれらが守っていきたいなって思ってるところなんだけどね、

でも世間ってのは、それが許されるだけの場所でもない。

‥これは、ちょっとだけ昔の話。

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その日、家にはおれしかいなくて。
リビングでのんびり釣りの雑誌を読んでたら、

ガチャ、ってドアの開く音。そんで、トン、トン、と廊下を歩く足音が聞こえてきた。

あいばちゃんは泊まりのロケだって言ってたし、
翔くんは今日はぜろだし、
ニノは‥飲みに行ってるからまだ帰るには早い、

てことは、帰ってきたのはまつじゅん。

リビングのドアの前で足音が止まる。
あれ？なんで入ってこないのかな？ってほんの少し思ったけど、そのまま待ってたら、がちゃりとドアが開いた。

「おかえりぃ」

そう言ってソファから振り返って、松潤を見たら、‥‥なんだか、泣きそうな顔してた。

「‥おおのさん、」

“今”よりほんの少しとんがってた松潤の、こんな顔見るのが久しぶりで、すこし戸惑った。
でも、戸惑うよりもっと、『早く助けなきゃ』っていう漠然とした意思の方が強かった。

「松潤、おいで？」

釣り雑誌なんて放って、立ち上がって松潤のところまで急ぐ。
まだ寒くなってはいないのに、その手は冷たくて、ほんの少し震えてた。

その手を掴んで、ソファまで引っ張って、座らせる。

その間も、大きな目は不安に揺れて、唇は固く閉じられたまま。凛々しい眉毛も、今はなんだかへちゃげて見えた。

はて。どうしたものか。
今日はライブの打ち合わせをしていたはずなんだけど。

朝は普通だったのに、どうしてこんなに弱っちゃってるんだろう。

「まつじゅん？」

手を握ったまま、うーん、って考え込んでたら、ずずず、と松潤が体を傾けておれの肩に頭を乗っけた。

「‥ごめん、ちょっと‥こうさせて。」

さっきも言ったみたいに、“今”よりもっとツンデレで、とんがってた松潤が(今だってべたべたくっつくほうじゃあないけどね)、こんなおれの肩に頭寄っかからせてることなんて、めずらしいことだから、びっくりした。

でも、断る理由なんてない。