シェアハウス！ (ページ4)

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ようやく全部飲み終わったと思ったら、もう一杯押し付けられて、泣きそう。

「もういいの‥‥」
「ダメ。これだけだから。」
「ううう‥」

にのの、このしっかりとした口調に、おれは逆らえない。‥甘々な声にも逆らえないし、とどのつまりにのには逆らえないんだけど。
うん、がんばる、って言ったら、「えらいね。がんばれたら飴あげるからね。」って意味わかんないくらい子供扱いされた。

「‥っん、ゲホッ、ゲホッ」
「ほら、落ち着いて。そんな急がなくていいから。」

一気に飲んでしまおうと流し込んだら、気管に入ってむせてしまった。
さっきまできつい顔してたのに、すぐに心配そうな顔になるにの。‥ほんと、優しすぎるくらいに甘いの、にのは。

「‥は、ッケホ、ケホッ」
「ほら、ゆっくり息吸って、吐いて。‥だいじょーぶ、大丈夫だからね。」
「‥しんどい‥‥」
「ん、がんばって飲めたから、すぐに楽になるよ。」

やさしくやさしく背中をさすってくれたがら、やさしい言葉をかけてくれる。‥にののほうがちっちゃいのに、おにいちゃんみたい。

「多分、病院行くほどじゃないとは思うんだけど、今よりしんどくなったら言うんだよ？」
「はい‥」
「じゃあ、ちょっと横になりな？‥部屋‥‥の方が休めると思うけど、どうする？」
「‥‥ここにいていい？」

リビングにいた方が、にのがいるし、みんなも来るし、安心する。

そしたら、ふっとやさしい顔をしたにのが、ゆっくり頭を撫でながら、「ん、いいよ。」って笑った。

そして、背中を支えてくれながら立ち上がって、ソファにまた横になる。
しっかりおれが横たわるのを確認して、にのが立ち上がった。

「気持ち悪くなったら言って？」
「‥にの、どこいくの‥‥？」

行って欲しくなくて、見上げて言うと、

「なぁに？行って欲しくないの？」

と、ニヤニヤしながら言われた。

たぶんね、にのはおれがそう言えば照れて何も言えなくなるのわかってやってるの。結局、そばに居てくれるんだけどね。
でも、今はちょっと違う気分なの。‥体調悪いと、心も弱っちゃうのかも。

「‥いってほしくない‥」

素直にぽろっとそう言えば、にのの表情が変わった。

「うん。わかった、ここにいるよ。」

とびきり甘い顔をして、おれの手を握ってくれた。

そのおかげかな？目を閉じたら、すっきり眠れて、次に目を開けた時は、すっかり回復していた。