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『え、田中さんと会って来た?!』



夕食はあとご飯が炊けるのを待つのみ…となったので一旦キッチンから離れ、ソファーに並んで座る。少しして、風磨はその理由を語り始めた。



「うん。会社辞めてからも連絡は取ってたんだよね。」

『でも、連絡先変えたって…』

「樹には教えてた。代表の引継ぎもできてなかったし、その後もたまに。」

『じゃあ、この前わたしが早く帰って来ていた日に電話していたのって…』

「そう、樹。新規案件で省庁相手にすることになったってその相談だった。まさか、Aちゃんの職場なんてね。」

『そうだったの…。』

「で、昨日のことがあって直接話したいって言われたから会って話してきた。それで、一回会社に顔を出してほしいって頼まれた。」



明るく話し始めていたのに徐々に歯切りが悪くなる風磨だったけど、その理由が最後の言葉で理解する。



『……どうして?』

「難しい案件がひとつあって、なかなか上手い具合進められないんだと。俺が現役のときの専門分野でもあったから手を貸してほしいって。」

『そっか。』

「……」

『風磨、は…?』

「え?」

『田中さんのこととか、周りの迷惑とかそんなの全部取っ払って。』

「……」

『風磨自身はどうしたいの?』



わたしの問いかけに俯く彼の姿に、さすがのわたしでもその答えは察する。でも、わたしは風磨の答えを待つ。いつも彼がわたしにしてくれていることと同じように。



「……やりたい。もちろん迷惑かけて逃げたことへの償いや頼られて嬉しいって気持ちもあるけど。俺自身がもう一回だけ、SEの仕事、やりたいって思いの方が強い、かな。」



小さな声で、でも気持ちが伝わってくるほど強くはっきりそう言い切った風磨。



「……ちょっ、Aちゃん?!」

『えらいぞ、風磨〜!!』



過去と自分自身と向き合う彼の姿が眩しくて、とてもかっこよくて、でも、どこかぎこちない彼がとてつもなく愛おしくて。

気持ちが溢れてしまったわたしは思わず両手で彼の頭を撫で回していた。



『応援する。でも、無理はしないで。何かあってもなくても風磨の帰ってくる場所はここだから。』

「Aちゃん…。」



嬉しかった。風磨が話してくれて、本音をぶつけてくれて。
いつもわたしが助けてもらっていたのに、彼は初めて肩を預けてくれた。

意識しなくても緩んでしまう頬に、「ごはんそんなに楽しみ?」と聞く彼に、わたしは「そうだよ」と返した。

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舞子(プロフ) - yukipomさん» メッセージありがとうございます🥰たくさん読んでくださりとても嬉しいです😭胸キュンしていただけているなら幸いです。これからもどうぞよろしくお願いします💐 (6月25日 21時) (レス) id: 5d40d4d8c1 (このIDを非表示/違反報告)
yukipom(プロフ) - はじめまして。更新楽しみにしてました!🥹だけどいいところで次を待つ!!みたいな状況にいつもドキドキさせられます🩷思わず何回も1から読み返しています💓次回も楽しみにしてます! (6月18日 0時) (レス) @page24 id: cb1029b802 (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - みやまるさん» ありがとうございます😢ゆるゆる更新ですがお付き合いいただけますと幸いです😭 (2023年3月25日 19時) (レス) id: 2ecde9cc04 (このIDを非表示/違反報告)
みやまる(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2023年3月20日 3時) (レス) id: 73890cbeef (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - 佳菜さん» ありがとうございます😭今後ともよろしくお願いします! (2023年2月11日 22時) (レス) id: 2ecde9cc04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞子 | 作成日時:2023年1月14日 22時

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