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＊
果耶さんがいなくなって廊下にぽつんと残される。
果耶さんの背中を見送るわたしに、ゆっくり距離を詰めようとする彼の気配を感じ、反射的に距離を取ってしまう。
「何で逃げるの？(笑)」
声が弾んでどこか嬉しそうな彼の問いにわたしはゆっくり振り返る。
さっきの表情とは違う。
わたしの知っているいつもの風磨に心の中でほっと息が漏れた。
『……逃げてはない、けど。』
わたしが立ち止まった隙に、あっという間にわたしの目の前に来た彼は「けど？」と顔を下から覗き込むように体を傾ける。
『……仕事はいいの？風磨のこと、待ってるんじゃ…』
「大丈夫だよ。ひと段落したからみんな休憩取ってるし。」
『ソ、ソウデスカ…』
「ねぇ、話逸らさないで？」
『え？』
「俺に、会いに来たの？」
逃がさないぞって顔してわたしの目を見て尋ねる風磨。
わかっている。この人は全部。わかっているから、あえて聞いているんだ。
観念したわたしはこくりと頷く。
瞬く間に表情が明るくなった彼は傾けていた体をやっと真っ直ぐにした。
「嬉しい。」
『嬉しい…、？』
「え、当たり前じゃん。なんで？」
『だって突然だし、何も話してなかったし、勝手に詮索するように会社にも押しかけちゃったし…。自分勝手な行動ばかりで呆れたらどうしようって…』
そこまで話すと「はああぁ…」と彼はわざとらしくため息をつく。
「Aちゃん。俺の好きを舐めてるでしょ？俺はね、多分Aちゃんが思っているより、何十倍何百倍Aちゃんのことが大好きなんだよ。」
『ちょ、こんなとこで……』
「そんな大好きな彼女が、大事な休日を使って俺のところに来てくれて呆れるわけないでしょ？可愛くて可愛くてしょうがない。え、抱きしめてもいい？」
『……ここではダメです。』
「わかってる(笑)でもね、すげー頑張って抑えてるけど、俺今めっさ浮かれてるからね。」
抑えきれていない気がするけど…
という言葉は出てきそうで出てこなかった。
「会いにきてくれてありがとう。」
こんなに小さな私の自己満足にそう、心の底から嬉しそうにお礼なんて言われたら安易に茶化したりふざけたりできない。
純粋無垢なまっすぐな笑顔に「どういたしまして」なんて素っ気なくてありきたりでつまらない返しかできなかった。
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舞子(プロフ) - yukipomさん» メッセージありがとうございます🥰たくさん読んでくださりとても嬉しいです😭胸キュンしていただけているなら幸いです。これからもどうぞよろしくお願いします💐 (6月25日 21時) (
レス) id: 5d40d4d8c1 (このIDを非表示/違反報告)
yukipom(プロフ) - はじめまして。更新楽しみにしてました！🥹だけどいいところで次を待つ!!みたいな状況にいつもドキドキさせられます🩷思わず何回も1から読み返しています💓次回も楽しみにしてます！ (6月18日 0時) (レス) @page24 id: cb1029b802 (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - みやまるさん» ありがとうございます😢ゆるゆる更新ですがお付き合いいただけますと幸いです😭 (2023年3月25日 19時) (レス) id: 2ecde9cc04 (このIDを非表示/違反報告)
みやまる(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2023年3月20日 3時) (レス) id: 73890cbeef (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - 佳菜さん» ありがとうございます😭今後ともよろしくお願いします！ (2023年2月11日 22時) (レス) id: 2ecde9cc04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞子
| 作成日時：2023年1月14日 22時
