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爆音で鳴るアラーム。



わたしの日常だ。



手探りでスマホを見つけ、一瞬にして耳障りなあの特有な音を止める。

ほんと、この世界で一番嫌いな音かもしれない。



音を止めたら起き上がる、のではなくわたしの二度寝の第二弾が始まる。

また布団に潜ったわたしは再び目を閉じた。

 


「あれ、起きないの?」
 


掛け布団の裾をペロッと捲られ、朝日がわたしの目を攻撃したかと思えば、丸く柔らかい声が頭に降ってくる。




『?!?!?!』

「やだなー、そんな顔しないでよ(笑)」




飛び起きてまるで怪しいものを見るような目をしてしまうわたしに、菊池さんが苦笑いしてわたしをなだめる。

そうだ、そうだった。

いるんだった。昨日から。




「来てもいいって言ったのAちゃんだよ?」

『そう、…でした。』

「それにしてもすげー大きな音だね。テレビの音も掻き消す勢いだからびっくりしたよ(笑)」

『…す、すみません。』

「俺も似たようなところあるから全然(笑)起きれる?」




頭を掻きながら、口を抑えてなるべく菊池さんに見えないように背中を向けて大あくびをする。

彼に手を差し出されて、まだ半分回っていない頭で特に何も思わずその手に触れると、ものすごい力で引っ張られ、ベッドから身体を奪われる。



「おはよう。」



塞がれた手とは逆の手で目を擦っていると、彼がまた柔らかい声でそう言う。朝日が菊池さんの後ろから彼を照らし、寝起きのわたしにはどちらが眩しいかわからない状況だ。



『…おはよう、ございます。』

「はい、じゃあリビング行こっか〜。」



彼に引っ張られるまま寝室から出たわたし。
もたもた歩くわたしを気にしながら彼はこちらをチラチラ見ている。

わたしは子どもか、なんて心の中でまだぼーっとする頭で小さくツッコミを入れた。

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作者名:舞子 | 作成日時:2022年1月27日 21時

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