ぼくらのおうち｡4～Mｙ sweet home～/気象ﾊﾟﾛﾃﾞｨ (ページ15)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:481,839 hit

45.大好きの破壊力/J ページ15

｢ねぇねぇねぇ…、翔さんってばぁ｣

三度目の正直｡

今までの中でマックス猫撫で声出して

翔さんの白いシャツの袖をひっぱった｡

｢珍しいな｡
そんな甘ったれた声出して｡
あ、いや、
おれは潤のそういうとこは昔っから好きだけど｣←まんざらでもない

｢だからさ…
何度もお願いしてるじゃん｡
智、ニノにあんなこと言われてどうしていいのか分かんないんだよ｡

だから翔さんがぱぱっと華麗に解決しちゃってよ｡
俺、翔さんのカッコイイとこ見たい｣

｢おれの、カッコイイとこ…？｣

撫でた肩がぴくんと揺れて

大きな栗色をもっと大きく見開くと

翔さんは智から視線を外し、俺を真っすぐに見つめる｡

あら？

あらら？

今までで一番反応いいんじゃね？

これってもしかしてもうひと押し？

｢うん｡
ナイスアシストする翔さんが見たいな～
燻銀の働きする頭脳派の翔さんが見たいな～

だって俺、そんな翔さんが好きだもん｣

｢おれが…好き？｣

｢うん、大好き｡
だぁーい好き♪｣

一瞬イケメた顔、これでもかってくらい崩したかと思ったら

翔さんは2、3度、自分のこめかみの辺りを指で小突いて

ニッと片方の口角を持ち上げた｡

｢聞いてたお前達も、話した智君自身も、みんな忘れてるんだもん｡
ちゃんと記憶しとけってこと!

智君!!!｣

やっと助言する気になった翔さんを尻目に相葉さんを見ると

俺にそっとOKサインを出した｡

……あの時、相葉さんは俺にこう言った｡

｢翔ちゃんさー、
絶対に今の事態を打破する方法、思い描いてる筈なんだよね｡

大ちゃんはそういう謎解きみたいなこと苦手だから｡
翔ちゃんその気にさせて、大ちゃんを助けてあげて欲しいの｣

｢どうやって？
翔さんのあの顔、完全に楽しんじゃってるもん｡
ああいう時はなかなか、腰上げてくれないよ？｣

｢カンタン、カンタン♪
今から言う方法を試して貰いたいんだけど｡
どうしてもダメだったら、最終的にはね？

潤君が翔ちゃんに『大好き』って言ってくれればいいの♪｣

まぁ、言われた通りしてみたんだけど｡

隣のイケメンに、なんだかおかしな笑いが込み上げる｡

だって自分だって百戦錬磨の物の怪のクセに｡

俺の『大好き』の一言だけであっさり動きだすんだもん｡

効果覿面過ぎなんだって(笑)