ぼくらのおうち｡4～Mｙ sweet home～/気象ﾊﾟﾛﾃﾞｨ (ページ14)

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44.ミラクル男の作戦/J ページ14

｢ニノと智のこと助けてあげて……
翔さん頭いいから、なんか思いついてるんじゃない？
ニノの気持ちを満たしてあげる、とっておきの方法｡

だからそんな、余裕な顔出来るんだよね？｣

｢いやいや～、そんなことないって～
俺もヒヤヒヤ肝冷やして見守ってんだって～｣

嘘つけよ｡

ニマニマ顔思いっきり崩してるじゃんか｡

それが肝冷やしてる顔かっつーの｡

この人｡

相葉さんが睨んだ通り、絶対になんか思いついてる｡

だけど今は親友のピンチが面白くて仕方がないんだ｡

さすが1,000年以上生きてる飛縁魔(ひのえんま)

完全にタヌキだな｡

｢ねぇねぇ…
思いついてるならさ…
俺のコト助けると思って、智に助言してよ…

俺が…黙ってた所為で…
ニノ達が危ない目に遭ってるかと思うと…、俺…、俺……｣

俯き加減でわざと声震わせて

涙拭うみたいにごしごし目を擦ってみせた｡

『ミラクル相葉チャン、大ちゃん達を救え作戦その２』

甘えてダメなら泣き脅し｡

鼻まで啜ってみせたのに｡

｢潤、お前目が痒いのか？
秋もいろんな花粉飛ぶからな～
いつものアレルギーだろ｡

保険証準備しとくから、明日学校の帰りにでも病院行って来い｣

｢……俺が泣いてるとか思わないの？｣

｢なんで？
涙出てないのに？｣

｢……明日病院行ってくる｣

｢そうしろ｡
アレルギーは早めに手を打っといた方がいいからな｣

｢ん｣

くっそ｡

さすがは人の心を惑わす飛縁魔(ひのえんま)｡

全部お見通しみたいに

俺の完璧な演技が全然通用しない｡

いつもそうなんだよなー

俺がどんなに完璧な嘘ついても

翔さんには瞬殺でばれちゃうんだよなー

なんで？って俺が聞いても

『親なんてそんなもんだ』って笑うだけで

全然まともに取り合ってくれないし｡

しかしどうする？

あの人、頑ななまでに親友の困り顔を笑う気でいる｡

余すことなく智のピンチを楽しむ気だ｡

このままじゃ絶対、翔さんは動いてくれない｡

………仕方ねぇな｡

こっ恥ずかしいけど

相葉さんが言ってた最終手段に打って出るか｡