ぼくらのおうち｡4～Mｙ sweet home～/気象ﾊﾟﾛﾃﾞｨ (ページ13)

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43.微妙なウィンク/J ページ13

｢んふふ、あのねー｣

相葉さんがかなり微妙なウィンクを俺にしてみせる｡

いや、アレ…ウィンクなの？

目と口が連動してんのか？

バチンと片方の眼を閉じた瞬間

そっちの口角が糸で釣り上げたように持ちあがって

口まで開いちゃってんだもん｡

芸能人でもいるよな｡

『ウィンク苦手なんですぅ～』って人｡

でも相葉さんの堂々っぷり｡

自分がウィンクド下手って意識あんのかな？

｢……てしてほしんだけど｡
潤君、さっきからオレのハナシ聞いてくれてる？｣

｢へっ？えっ？｣←全然聞いてなかった

｢もぅ～、しょうがないなぁ～
いい？
だからね…？｣

俺の気持ちを知ってか知らずか

さすがに二度目は華麗なるウィンクもどきを披露してはくれなかった｡

・

｢しかし……
そんな単純なことで翔さんの気持ちが変わるもんかねぇ…｣

今はさ｡

なんのかんので無害装ってるけど｡

あの人大昔には、美貌と知性で中国の皇帝たぶらかして

時の王朝滅ぼしたこともある飛縁魔(ひのえんま)だよ？

そんな単純な手に

いくらなんでもひっかからないんじゃないのかな？

半信半疑のまんま、腕組んでニヤけた顔してる翔さんの隣に並んだ｡

困り顔の智見つめる翔さんの、Ｙシャツの袖を引っ張る｡

｢翔さん……｣

ここは目一杯不安げに｡

蚊の鳴くような小さな声で｡

翔さんが俺のコト、一発で心配するように｡

｢……？
どうした、潤｡
そんな不安そうな顔して｡

智君なら大丈夫だよ(笑)
それよりよく見とけって｡
あんな顔したあの人、なかなか拝めないから｣

｢………｣

……翔さんって意外とＳなんだよな｡

智の困り顔がよっぽど気に入ったのか

今の翔さんに親友を助ける気は全くない｡

｢翔さぁん……｣

もう一度シャツの袖を引っ張って、甘えた声で翔さんにせがむ｡

相葉さんが命名した作戦発動だ｡

名づけて『ミラクル相葉チャン、大ちゃん達を救え作戦その1』

甘えっ子ちゃんのおねだり編｡