ぼくらのおうち｡4～Mｙ sweet home～/気象ﾊﾟﾛﾃﾞｨ (ページ12)

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42.その男、ドＳにつき｡/A ページ12

大きな栗色の瞳をキラキラさせてさ｡

大ちゃんを真っすぐに見つめながら

翔ちゃんは時々、喉を鳴らして笑ってる｡

親友のクセにいけないんだ｡

この人、完全に高みの見物決め込んでるよ｡

しっかしニノちゃんもメチャクチャ言うね｡

『絵を描く力』を大天狗様に取り上げられたとはいえ

大ちゃんは宮絵師だから

確かに朽ちた絵に、新たな命を与えてるって言えるけど｡

でもそれと

さっきからニノが牡丹さんって言ってる生き霊の彼女？

助けてあげることとは別次元じゃん？

しかも『与えてあげて』だなんて｡

言ってる事は分かるけど、ちょっと抽象的過ぎない？

大ちゃん、どうする気？

聞く気はないなんて言いながら

あんな眼で見つめられて

ニノちゃんのお願い叶えてあげたくて、なんとかしたいって思ってんでしょ？

でも大ちゃんは昔っから

パズル解くみたいな謎解きは、大の苦手だったからなぁ……

こういう謎解きの正解見つけるの、翔ちゃんは得意そうだけど｡

｢あははっ、智君の顔完全にヘタレてる(笑)｣

ダメだこりゃ｡

大ちゃんの困り顔見てめっちゃ楽しんでる｡

ここは一つ相葉ちゃんが、助け舟出すとしますか｡

少し離れた場所で大ちゃん達を見守る潤君の隣に立つと

その人の脇腹を肘でつついた｡

｢相葉さん？｣

｢……大ちゃん、困っちゃってるね｡
まさかニノがあんなこと言うなんて、思ってもみなかったんじゃない？｣

｢あぁ…、
ニノのヤツ、なに馬鹿なコト言ってんだか｡
さんざんあの生き霊に、怖い思いさせられたっていうのに…!｣

歯痒さから苛立ちを乗せる秀麗な顔｡

焦りが滲む黒曜石のような黒い瞳には、ニノへの純粋な心配が伺える｡

最初はニノのこと食べようとしてたクセに｡

一緒に暮らしていろんなこと共有するうちに

すっかり友達になってんだから｡

顔に感情が出易くて、ある意味行動が読み易い｡

ホーント潤君は、素直で優しくて可愛い子｡

翔ちゃんがどれだけの愛情を注いで育ててきたか、こういう時に出るんだね｡

でも将来、その素直さに足元すくわれないように気をつけなきゃね♪

｢さぁ、潤君｡
お仕事、お仕事♪
これから潤君にしか出来ない方法で、二人を助けて欲しいんだけどさ｣

｢俺にしか出来ない？
相葉さん、俺、何したらいいの？｣

｢んふふ、あのねー｣

オレの顔真剣に覗き込む潤君に、完璧なウィンクしてみせた｡