05.夫婦漫才？/N ページ32
｢べ、別に襲うつもりなんかねぇし!!
前も言っただろ!?
俺はお前に勝つまでニノには指一本触れないって!!
智!!
言っとくけど俺、別にお前にビビッてなんかねぇからな!!｣
……潤君｡
どんなに強がってみても、ワンコ耳と尻尾は正直です｡
・
｢ったく、油断も隙もないんだから……｣
智は小さく溜息をつくと、さっきみたいに首筋に顔を埋めた｡
｢んふふ、おまじない〜｣
首筋に柔らかな何かが押し当てられる｡
智はいつものようにオレの首筋にちゅ…って音立てて唇を押し当てると……
……ん？
｢……智｡
お前……、何してんの？｣
｢え〜、いつもと同じおまじない｡｣
｢違うだろ!?
お前、今オモクソ吸い上げたじゃねぇか!!
こんな目立つとこに痕でもついたらどうすんだよ!?
恥ずかしくて外歩けないだろ!!｣
オレを抱く智の腕振り払って怒ってんのに｡
眼の前のソイツは、緊張感の欠片もない顔してふにゃふにゃ笑うだけ｡
｢だってぇ、潤君もいるし｡
ニノは可愛いから悪い虫に狙われるもん｡
これからは視覚的にも俺のだって分かるように『所有のシルシ』ってヤツつけちゃおーって思って♪｣
｢//な…!
ふざけんな!!
それに潤君、さっきもオレのコト襲わないって約束してくれたし!!｣
まぁ、さっきはかなり怪しかったけど｡
危うく喰われるかと思ったけど｡
潤君は得意げに自分の胸を叩くと
｢ニノの言う通り、男に二言はないゼ!
俺は智を倒すまでニノは襲わない!!｣
ビシッと指差して智に言い放った｡
『アンタソレ、どの口が言ってんの？』って突っ込んでやりたかったけど｡
毎日毎回智にこんなことされたんじゃ
学校にもオチオチ行けなくなる｡
｢そら見ろ!
痕つけたらお前と一生口きかねぇかんな!!｣
｢えぇ!?
ニノと口きけないなんてそんなのヤダもん!!｣
むぎゅーーーってまた抱きついてきた智の腕をひっぺがそうとすんのに
以外に力強い腕はどうにもオレじゃ引き離せない｡
｢離せや!!!｣
｢ヤダもん!!!｣
智とオレの掛け合いを見てた潤君が、堪え切れないように吹き出した｡
｢ははっ、毎朝ホント騒がしいよな(笑)
俺、翔さんとずっと二人っきりだったからこういうの楽しいよ｡｣
｢呑気なコト言ってないで!
潤君、助けてよ!!｣
わちゃわちゃ騒がしい台所に
｢今日も振られちゃったね、智君｡｣
笑いを含んだ翔さんの声が響いた｡
06. 嫁感出してます/N →←04.唾つけたのは俺だから｡/N
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさり
作成日時：2014年6月17日 23時
