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.*・゚ .゚・*. ページ10

貴「えっ!?」


差し出された硝子の靴に驚く女性が一人。


さ「これは貴方様のために御用意した靴なので、遠慮なく。」

貴「いやいやいや無理ですよ!第一こんなに高いヒール履いたことないし…」


躊躇うAに痺れを切らした紅い彼が、彼女の足を取る。


さ「お綺麗ですよ。」

う「…うん、よく似合っています。」

「あ、ありがとうございます…。」


ぎこちなく答えるAに、翠紅(二人)はにこりと微笑む。



それから刻はゆっくりと流れる。
紅と踊ったり、他愛もない話を延々としたり。
其処で、音が絶えることはなかった。


う「……おや、どうやら時間のようです。」


ふいに懐中時計を取り出した翠が言う。


さ「えぇ、もう夜明けが近いです。」


楽しい時間にも終わりは訪れるもので、Aは寂しそうに、悲しそうに俯く。


う「お送りしますよ、お姫様。」


翠が、またもAの手をとる。

階段を降りる際、ヒールに慣れないAはバランスを崩す。


貴「あっ、」

さ「A様!」


紅い彼が、すんでのところでAを抱き止める。


さ「嗚呼、ヒールが壊れてしまったようですね。」


彼は、Aを抱き止めたままそう言う。


さ「あれは、私がお預かり致します。次いらっしゃった時までに直しておきますので、左足の靴は持って来て下さいね。」

貴「す、すみません。ご迷惑を…。」

う「いいんですよ、コイツ、そういうののスペシャリストなんで。」


蚊帳の外だった翠が口を挟む。


貴「スペシャリスト……。すごいですね!」

さ「いえ、趣味というか、そんな程度ですよ笑」


クスッと笑った彼の笑顔に、Aの鼓動が速まったのは秘密だ。


う「……では、またのお越しをお待ちしております。」

さ「おやすみなさい。素敵な夢を。」


バタンと閉まった扉の音に、彼らの力は一気に抜ける。


さ「楽しんでもらえたかな…。」

う「まあ、次来るまで時間あるし。直せるとこ直そうぜ。」

さ「にしてもAちゃんかわいかったな〜。毎日会えるうらさん幸せすぎやろ!」

う「フッ、羨ましく思うならさかたも入社することだな。」

さ「俺看護師目指しとるのに……。」


二人の会話は、夜明けまで続いた。

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名奈(プロフ) - くっきぃさん» いや全然頭良くないよ(^ω^;) (2021年8月22日 16時) (レス) id: 6f1fe19d18 (このIDを非表示/違反報告)
くっきぃ(プロフ) - 名奈さん» いえいえー!そうなんだ!頭が良いのが作品にでてくるわそりゃ笑 (2021年8月22日 14時) (レス) id: 02e0ed7159 (このIDを非表示/違反報告)
名奈(プロフ) - くっきぃさん» ありがとう〜!遅くなってもコメントしてくれるだけで嬉しいよ!受験期に"present"の意味全然覚えられなくて、覚えようと頑張った思い入れのある単語だったから採用した!笑 (2021年8月19日 20時) (レス) id: 60f88b3dc2 (このIDを非表示/違反報告)
くっきぃ(プロフ) - 完結おめでとうーー!遅くなってごめんね。名奈ちゃんの書く話色んな意味が込められてて読んでて楽しい! (2021年8月19日 19時) (レス) id: 02e0ed7159 (このIDを非表示/違反報告)
名奈(プロフ) - くっきぃさん» いえいえ!ほんと!?それならよかったー!こちらこそよろしくね(*´∀`)ノ (2021年3月27日 19時) (レス) id: 6f1fe19d18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名奈 | 作成日時:2021年3月23日 8時

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