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skt side

「…あ、それより時間大丈夫ですか?もう10時になりますけど。」

貴「え!?」


俺の発言を聞いて時計を見たAちゃんは、慌てた様子で荷物を持って出て行った。

……あ、浦さんに連絡せんと。



urt side

携帯が振動し、通知が来たことを知らせる。
画面を見ると、坂田からメールが来ていた。


坂田『Aちゃん、今から会社行くって。』

「は?」


文に目を通し、思わず低めの声が出てしまった。
周りの人が此方を見ているが、そんなの気にしている場合じゃない。
すぐさまGPSを起動させると、確かにAは会社(こっち)に向かっていた。


「今日休みって言っちゃったけど…。」


昨夜、坂田からAを拾ったという何とも聞き捨てならないメールが来た。まあそんなメールなくともGPSを見れば分かる訳だが。
Aのことだ。きっと先方の誘いを断れず飲み過ぎたのだろう。

なんて考えていると、廊下に通ずる扉が勢いよく開いた。


貴「す、すみませ、ハァ、遅く、なり、ハァ、まし、た、ハァ……」

部長「あれ、花清(かせい)今日休みじゃないのか?」

貴「え…?」

部長「浦田が、花清は今日頭痛で休むって。」

貴「え?」


Aが俺を見る。
俺はAににこっと笑う。


部長「もしかして体調良くなったのか?なら今日やって欲しいのは」

貴「すみません!やっぱ頭痛いので、ハァ、帰ります…。」

部長「お、おう。お大事にな。」

貴「はい、ハァ、ありがとうございます…。」


部屋を出た後、部長の「何なんだアイツ……」という呟きを、俺は聞き逃さなかった。


急いでAを追いかける。
悪魔(俺ら)の体力を舐めてもらっちゃあ困る。人間とは比にならないくらい優れているのだから。
ほら、視界に入る距離まで来た。


「おいっ!」


軽くAの肩を叩いたつもりだったが、彼女には大分重かったようでバランスを崩す。


貴「ちょ、やめて……ほんとに頭痛いんだから…。」

「え、それはごめん…。さっき顔色大丈夫だったから大丈夫なのかと思った…情けないな、俺。」

貴「いや、そんなこと、ない…。私が休むって、言ってくれて、ありがとう。」


こんな俺を受け止めてくれるAが大好きだと、改めて思う。


「おう。Aは酒強くないからなー。昨日のこと考えたら今日は無理だろうなって思ったよ。いつもの時間に来なかったし。まあ、今日はゆっくり休めよ。お大事に。」


彼女が見えなくなるまで見送った。

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名奈(プロフ) - くっきぃさん» いや全然頭良くないよ(^ω^;) (2021年8月22日 16時) (レス) id: 6f1fe19d18 (このIDを非表示/違反報告)
くっきぃ(プロフ) - 名奈さん» いえいえー!そうなんだ!頭が良いのが作品にでてくるわそりゃ笑 (2021年8月22日 14時) (レス) id: 02e0ed7159 (このIDを非表示/違反報告)
名奈(プロフ) - くっきぃさん» ありがとう〜!遅くなってもコメントしてくれるだけで嬉しいよ!受験期に"present"の意味全然覚えられなくて、覚えようと頑張った思い入れのある単語だったから採用した!笑 (2021年8月19日 20時) (レス) id: 60f88b3dc2 (このIDを非表示/違反報告)
くっきぃ(プロフ) - 完結おめでとうーー!遅くなってごめんね。名奈ちゃんの書く話色んな意味が込められてて読んでて楽しい! (2021年8月19日 19時) (レス) id: 02e0ed7159 (このIDを非表示/違反報告)
名奈(プロフ) - くっきぃさん» いえいえ!ほんと!?それならよかったー!こちらこそよろしくね(*´∀`)ノ (2021年3月27日 19時) (レス) id: 6f1fe19d18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名奈 | 作成日時:2021年3月23日 8時

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