鬼舞辻無惨の嫁

4話 ページ5

互いに別れの挨拶をかんたんに済まし、別れる。

私は……店に入らず、背を向け歩くAから目を離せなくなっていた。

無惨said終わり









A『はいはい、分かってますよ！！』

父「それのどこが分かってる奴の返事と態度なんだ！！」

A『ですから！！！わかってるって言ってるじゃないですか！！そのうち、ちゃんと見つけますよ！！！』

父「その内その内って言い続けて、どれほど経っていると思ってる！！」

A『………うるっさいですよ！！！自分でそれくらい決めさせてください！！』

父「自分で決められてないから、俺が手助けしてるんだろ！！」

A『それが、嫌だと言ってるんです！！ほっといてくれて結構ですから！！！余計なことはしないでくださいね！！！！』

A『ﾊﾞﾝｯ!)』

父「あっ！おい！！A！！」

煩わしい父親を振り切るかのように、部屋を出て襖を閉める。

現在、21歳。

そろそろ、嫁ぎに行かないと、もう、嫁としてもらってくれるところがなくなってしまう。

ので………

あんなにうるさいのだ、父は。

あちらこちらから縁談を持っては、見せてくる。

断っても断っても。

A『ﾊｧｰ)』

父の気持ちもわかる。

そろそろ、身を固めないと生涯独身になる可能性が高い。

女1人で生きていくというのは、物凄く大変だ。

就職先でさえ、女であるということだけでなかなか見つけることができない。

だんだんと、男女平等社会へと進んでいるとはいえ……まだまだ、女性に厳しい社会だ。

………さっさと結婚して身を固めた方が良い事くらい知っている。

私だって、そうしたい。

そうしたいのだけれど………

お見合い結婚はあまり好きではない。

縁談を成功させようと、己を良く見せようとし、性格を偽ったりして……実際、一緒に住んでみたら……あれもこれもと、どうしても受け入れられないことが出てきたりする。

と、まぁ……これは言い過ぎなのかもしれないが……

私からすると、そんなイメージなのだ。

それに………親が持ってくる縁談も縁談で………

どれも……いや、これはどう考えても合わないだろ……見たいな奴ばかりだったりする。

………なるべく、互いに知っている人と結ばれたい。

そんな気持ちもあり、縁談を強引にでも勧めたい父と対立している。

母親がいればもう少しこちらの意見も通るのだろうが……数年前に病気で亡くしている。

………それもあって、心配されているのだろう。

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