28話 ページ29
無「……かんざしと耳飾りだ。………かんざしは、お前がいつも髪を下ろしているから、その……気分転換にでも使ってもらえればと……着物を着ているから、使いやすいかと思って……耳飾りは、なんとなく目にとまったから………」
手の上に乗せられた2つを目で捉えたまま動かないAを見て、心配になる。
無「……気に入らなかったら、捨てるなりしてくれれば」
そう言うと、そっと顔を上げたAと目があった。
A『いえ!!すごい嬉しいです』
頬を赤く染めて嬉しそうに笑うこいつを見て、顔に熱が集まるのを感じた。
無「……それなら、良かった」
A『どちらも綺麗です…!ありがとうございます!大事にしますね(ニコッ』
無「そうか」
思わず、頬が緩む。
A『……これから髪の毛を下ろすことはないかもしれません』
無「!いや、別に無理して使わなくても」
A『フフッ)嬉しくて、ですよ』
無「クスクス)そうか」
A『この耳飾り……』
無「耳に穴を開けて通す物もあるらしいが……耳に挟んで使えるものにした」
A『……きれいな赤ですね』
無「……なんとなく……お前の黒髪とかにも似合うかと…」
A『フフッ)無惨さんの目の色ですね』
無「!!!」
無「……気が付かなかった」
A『フフッ)嬉しいです』
そう言って、早速耳につけるA。
……自分の目の色だっただなんて、自分でも気が付かなかった。
………無意識に独占欲でも働いたか。
無「(……これは……相当こいつに振り回されてるな)」
自分からのプレゼントを身に着け、嬉しそうにするAが更に愛おしくなり、思わず抱きしめる。
A『クスクス)ありがとうございます』
無「こちらこそ、ありがとう」
A『お茶でも飲みますか?』
無「そうするか」
Aが入れたお茶を飲みながら、2人で色々なことを話す。
時々、軽口を叩き合いながら。
我ながら、こんな自分にだいぶ驚いている。
が……こんなにも幸せなのだから……別に良いかなんて思ってしまったりする。
寝る時間が近づき、Aの隣で布団に入る。
普段は夜になんか寝ないが……こうして時々一緒に寝たりするのだ。
A『おやすみなさい』
無「おやすみ」
こうして、おやすみと言い合って、Aの体温を感じながら寝たいからだなんて……口が避けても言えるわけがない。
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ちびリス - こゆんちゃんさん» 無惨様って…敬語何ですか…? はずかしながら、初めて知りました。すみません!!…このまま、敬語抜きで行くと思います。わざわざ言ってくださったのに、すみません!! (2020年8月14日 15時) (レス) id: 676aa3962f (このIDを非表示/違反報告)
こゆんちゃん - 無惨様が敬語をはずすとお館様感が……、、でも、話はとっても面白いです! (2020年8月12日 12時) (レス) id: dfa1a83f80 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス - コノハさん» こちらこそ、コメントしてくれてありがとうございました! 展開に悩んだりしますが…いい感じに終われるよう、頑張っていきます! (2020年8月11日 12時) (レス) id: 5f26e80ee4 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 一緒にいられるなら嬉しいです。返事をかいてくれて有難うございました (2020年8月9日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス(プロフ) - コノハさん» 納得できなかったら、どんどん言ってください!!! (2020年8月6日 17時) (レス) id: eb5ae9646b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちびリス | 作成日時:2020年7月22日 0時