鬼舞辻無惨の嫁

24話 ページ25

A『私の目は間違ってなかったですよ？』

無「ｸｽｸｽ)そうだな」

A『無惨さんは、行きたいところとかないんですか？』

無「特にない」

A『そうですか』

無「！……お前、ああいうの好きなんじゃないのか？」

無惨さんが指差す先には、和菓子屋があった。

おばあさんが営んでいて、おしゃれではないけれど…こじんまりとしていて、雰囲気のある店だった。

A『！！……いいんですか？』

無「ｸｽｸｽ)もちろん」

A『無惨さんも食べません？』

無「いや、私はいい」

A『…美味しいんですよ？』

無「お前ほど味覚は子供ではないからな」

A『甘味は、どの世代にも愛されますよ』

無「お前は異常だ。最近は、鳴女にまで甘味をもらっているんだろう？」

A『！……鳴女さんへのお土産も買ってもいいですか？』

無「好きにしろ」

無「…………選んでいる間、少し他のところに行ってもいいか？」

A『？いいですよ？』

鳴女さん用のお土産と自分用の菓子を選ぶ。

座っている席に菓子が届く頃、無惨さんも戻ってきた。

A『どこへ行っていたんですか？』

無「少し気になるものを見かけただけだ」

A『あとで寄ります？』

無「いや、いい。用事は済んだ」

A『そうですか』

無「団子を頼んだのか」

A『ﾆｺｯ)はい、みたらしとあんこです』

無「………良くそんなに食べれるな」

A『美味しいものは仕方ないんです』

無「ﾆﾔｯ)それを言うなら、私達もそうだが？」

A『無惨さん達は、全然違うでしょ』

無「ｸｽｸｽ)そんなものでは私を説得できんぞ？」

A『………頑張りますよ！』

無「ｸｽｸｽ)そうしてくれ」

A『ｲﾗｯ)では、うるさいお口にこれをどうぞ！』

あんこのお団子を無惨さんの口にぶち込む。

無「むぐっ！！」

無「…………………何をする」

A『ｸｽｸｽ)やってみたいと言う衝動に駆られました』

無「お前は本能でしか動けないのか」

A『無惨さんに言われるだなんて心外です』

無「……ｲﾗｯ)ほう」

不敵な笑みを浮かべたかと思うと、最後の1つの団子をひょいっと口の中にほおりこんだ。

A『！？………最後の1個…!』

無「ﾆｺｯ)美味かったな」

A『………ほんっと、こういう時顔が生き生きしてますよね』

無「そうか？」

A『そうですよ、本性が出てます』

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