鬼舞辻無惨の嫁

17話 ページ18

A『……正直なところ、あまり現実味がないのですが……さっきの方の琵琶の音の力だったり……実際に鬼に襲われましたし……現実なのでしょうが、状況整理で精いっぱいって感じです』

無「……仕方ないだろう」

無「……どうする？結婚はなかったことにしても良いが」

A『！？』

無「別に殺しはしない。鬼狩り側に行ったとしても、ここの場所なんて把握できてないだろうからな。別に損することはない」

無「お前も、人間だ。いつ食われるか分からないような所にいたくはないだろう」

無「私と離婚しても、鬼達にはお前は食わないよう命令しておこう」

無「…どうする？離婚するか？」

色々と、考えた。

いくら現実味のない話だとしても……この人は、間違いなく危険人物。

離れていたほうがいいのだろうけれど………

…………厄介なものだ、心というのは。

A『ﾌﾌｯ)あなたさえ良ければ……私は、このままでいたいと思っております』

無「！？………自分で何を言っているのか分かっているのか？」

A『ええ、分かっております』

A『……ここで、離婚をして安全な生活を送る。…正直言えば、これが正しい答えなのでしょう』

A『けれど………私は、あなたのことを好きになってしまったんです。……あなたの側にいたいと、思ってしまったんです』

無「それだけか？」

A『ﾌﾌｯ)十分ではありませんか？一緒にいたい。これだけで』

無「…………」

A『それに……私のことを鬼の方にお願いしてまで守ってくださったり、私を助けに来てくださったじゃないですか』

A『今だって、私のことを考えて色々提案してくださって……』

A『貴方はとても怖い人で、世間的には良い人とは呼べないのでしょうけれど……』

A『私にとっては、優しい、とても良い人なんですよ？』

無「…………」

A『ここで、殺されても仕方ないと思っております。自分で決めた道ですから』

A『今更死んでも……あなた以外、私には身内がいませんし。そんなに困りませんからね』

A『………あなたには、数え切れないくらいの美しい思い出をいただきました。ですから……側に居たいんです』

A『ﾌﾌｯ)あなたのことが、好きなので』

無「！………危険だぞ」

A『ええ、承知しております』

無「……本当に、いいのか？」

A『ええ』

無「………全く………」

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