検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:165,571 hit

2話 ページ3

心臓が、ものすごいスピードで動いているのが分かる。

こんなこと、何千年前のあの時以来、初めてだ。

女「?どうかしました?」

慌てて何もなかったかのように取り繕った。

無「いいや、知り合いかと思ったんだけれど、人違いだったみたいだ。さ、早く店へ行こう。寒いだろう?」

そう言って、一瞬、後ろをちらりと振り返る。

人が多く、きちんと確認できていないが……

…………人違いではないはず。

でも………ここに、いるはずがない。

いつぶりだろうか。

こんな感覚。

思い出したくなかったこの感覚に、苛つかながら女に続いて店へと入った。









それから、いつもと変わらぬ日々を送っていた。

昼間は、無限城。

浅草の夜道を歩き

夜は、あの女の家。

あの日の夜の出来事は、何もなかったことにしようと気にしないようにと努めているが……

浅草の夜道を歩くと、どうしても周りを見渡してしまう。

あいつを探して。

最近では、恋人特有の行動……口づけなどもするのを忘れてしまうほど、気になってしまっている。

ついこの間、下弦の累が殺られた。

下弦の入れ替わりの速さと、どうしても気になってしまっている己に腹が立つ。

ほんと、最近はストレスばかり感じている。

こんなこと………無かったというのに。

無性に腹が立つ。

それもあり、少しでも苛立ちの原因を取り除こうと、下弦を排除し、あの女とは別れた。

別れ際に泣かれたが……そらすら腹が立つ。

……………もう、浅草の夜道を歩く必要などないというのに………無意識に、あの日見かけた姿を探すため出向いている己にも腹が立つ。

あまりの苛立ちに、すぐ側の人間を殺そうかと思った時だった。

少し離れた所に、あの日見かけた女がいた。

殺そうと上げた右腕が空中で止まる。

そうやって、少しの間動くことができなかった。

こちらを見向きもせずに、クルリと背を向け遠ざかる背中を見て、慌てて追いかけ手を掴んだ。

無「………………」

なぜ…………こんな行動をとったのか、自分でも意味が分からない。

………捨てた過去だというのに………まだ、私はこいつに囚われているというのだろうか。

その事に自覚し始め、収まっていた苛立ちが沸々と湧き上がっていると……

その女がこちらを向き、口を開いた。

?「あの……どうかしましたか?」

無「…………………………」

あまりにもとっさの行動で、何も考えていたかった。

………何といえばよいのか、分からん。

3話→←1話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (101 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
301人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼滅 , 鬼舞辻無惨
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちびリス - こゆんちゃんさん» 無惨様って…敬語何ですか…? はずかしながら、初めて知りました。すみません!!…このまま、敬語抜きで行くと思います。わざわざ言ってくださったのに、すみません!! (2020年8月14日 15時) (レス) id: 676aa3962f (このIDを非表示/違反報告)
こゆんちゃん - 無惨様が敬語をはずすとお館様感が……、、でも、話はとっても面白いです! (2020年8月12日 12時) (レス) id: dfa1a83f80 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス - コノハさん» こちらこそ、コメントしてくれてありがとうございました! 展開に悩んだりしますが…いい感じに終われるよう、頑張っていきます! (2020年8月11日 12時) (レス) id: 5f26e80ee4 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 一緒にいられるなら嬉しいです。返事をかいてくれて有難うございました (2020年8月9日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス(プロフ) - コノハさん» 納得できなかったら、どんどん言ってください!!! (2020年8月6日 17時) (レス) id: eb5ae9646b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちびリス | 作成日時:2020年7月22日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。