鬼と人間の子NEW 3

93話 ページ1

ノーマン「鬼ごっこの訓練で、皆んな予想以上に成長した。レイだって言ってたじゃない……アレ本心だろ？それでも………」

レイ「それでも、弟妹が荷物だってことに変わりはない」

ズン………と空気が一気に重くなった気がする。

…………そんな、はっきり言わなくても………

ノーマン「助けてくれるって言ったくせに」

レイ「これが、俺の助けるだよ」

レイ「出なけりゃ、エマもろとも農園で死ね」

ノーマン「……………僕らを死なせたくなかったんじゃないの？Aだって、死んじゃうよ？」

レイ「どの道早々に死なれるんだったら、出荷のがマシだ」

レイ「どうする？条件のむか?」

……切り札を手に入れて、全員を諦めるか、切り札を諦めて全員を邪魔されるか……

ノーマン「ﾊｧｰ)分かった」

ここは、嘘でも条件をのんでー

レイ「もし、今の言葉が嘘だったら」

ノーマン「！」

レイ「ーーーーーー」

ノーマン「ﾆｺｯ)わかってる、嘘じゃないよ」

レイ「ｶﾞﾁｬ…ﾊﾞﾀﾝ)」

ノーマン「ﾄｽ…)……………」

レイが部屋を出ていき、ベッドにそっと腰掛ける。

本当に、レイが内通者だった……！！

でも、敵じゃなかった。

いや、それ以上だ。

発振器は、壊せる

確実に

情報操作もできる

自在に

ママの拘束にも有利

だけじゃない

脱獄のために集めた情報

農園側の内情




すごい…！！

なんて戦力だ！！

これでまともに勝負できる！！

でも

………全員を、諦めろ……か……

レイは正論で、エマは無謀だ。

エマを騙すことは簡単で

レイを騙すことは難しい。

一番良いのは、多分………

けど！！

エマみたいに!

ああなりたいんだ

救えるものなら…救いたい！！

ノーマンsaid終わり



レイsaid

レイ「ｶﾞﾁｬ…)」

ママ「遅かったわね」

レイ「ノーマンと話してた」

ママ「それで？あの子達は？」

レイ「特に変わりなし。鬼ごっこ訓練に夢中」

レイ「それよかあの補佐だ。また、動き出した。気をつけたほうがいい」

ママ「そう」

レイ「補佐なんて、呼ばなきゃよかったのに。あれ、俺への抑止でしょ？」

ママ「…………」

レイ「ぬかりがないのは良いけど、悲しくなる。6年かけてママに尽くして、未だ警戒されているとはね」

ママ「万が一のためよ」

ママ「あなたのこの6年間の働きは、素晴らしいわ。信用している」

ママ「でも、そもそもあの日あなたがちゃんと機能していれば、こんな事態にはなっていないのよ」

94話→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す