8話 ページ9
雫の形をした、とても、綺麗な、青いペンダントだった。
光の当たり方で、水色にも、深い青にもなる。
……悲しいくらい、綺麗だった。
A『…ありがとう』
自分の部屋に戻って、ママから貰った白い帽子を被り、ペンダントを服の下に付け、ベッドに座った。
ママは、いつか、こうなる事を知っていたのだろう。もう既に、帽子が用意されていた。
A『…………エマ、ノーマン……………レイ…助けて…』
心がズタズタで、もう、何が何だか、訳が分からなくなるくらい、頭の中がパニック状態になっていて、泣いてしまいそうだった。
でも、私なんかが涙を流していいはずなかった
薄々、気がついていた。このハウスには、何かがあるって。ママに怖がられている私と、同じ感じの匂いがする門の外。
門の外がどうなっているのか、家族の1人が里親に出た日の次の日の朝に、こっそり、門の前まで1人で行ったことがある。
そこからは、ほんのりと、微かにしか匂わなかったけれど、間違いなく、
血の匂いがした。
信じたくなかった。
何もなく、安全に里親の所へと行ったのだろうと、信じたかった。
でも、その子からは、１通も、手紙が届かなかった。
絶対に書くって、言ってくれたのに。
よく考えたら、その前の子も、私が知る限りではずーーーーっと手紙も、何も来ていない。
皆んな、「絶対に、お手紙書くね！」って、だから、寂しくないって、このハウスを去っていくのに。
ここまで来れば、もう、家族が無事ではないのかもしれない、と、どう考えようと、そう、行き着いてしまう。
でも、
私は、ずるいから。
私は、弱いから。
何も、出来なかった。
ああ、なんて最低な奴なんだろう。見て見ぬ振りをした結果がこれだ。
結局、家族は、この世にいなかった。
本当に、最低だ。
しかも…………………家族に仇の血が入っているなんて…
そう思って、はっ！とペンダントを取り出した。
月の光に当たって、キラキラと、優しい、全てを包み込んでくれるかのような、美しい、水色が揺れていた。
………ごめんなさい。父さん、母さん。
エマ達にも、父さんと母さんにも合わせる顔がない。
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ちびリス(プロフ) - AYANEさん» ありがとうございます！！！ (2021年3月19日 17時) (
レス) id: 8661e139e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス(プロフ) - ほたてさん» ありがとうございます！！最新話の方にもコメント、ありがとうございます！！ (2021年3月19日 17時) (レス) id: 8661e139e0 (このIDを非表示/違反報告)
AYANE(プロフ) - 面白かったです。 (2021年1月21日 21時) (レス) id: e17d9ef78c (このIDを非表示/違反報告)
ほたて - すごく面白いです！！頑張ってください、応援しています。 (2020年9月22日 17時) (レス) id: e132879f67 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス - ネギトロ81194さん、ありがとうございます！！嬉しいです！！更新、頑張ります！！やる気スイッチ、入りました笑 (2020年3月8日 1時) (レス) id: 96b6dbc2fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちびリス | 作成日時：2019年12月4日 18時
