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歯磨きをして、寝支度をする。
その間も、二人はそれぞれ思考を巡らせる。
歯磨きに10分もかかる筈もなく、すぐベッドに入った。
「おやすみ。」
「おやすみ。」
二人とも仰向けで布団を被る。
眠れず彼が彼女に背を向けた時、
「…ねえ、まだ寝たくない。」
その一言に、彼はしてやったりといった顔をしながら素早く彼女の方を向き、耳元に口を近づける。
「…それ、どういう意味か分かってる？俺、今までずっと我慢してたんだよねー…。優しくする余裕とかないけど、いい？」
「うん。……てか、私だって我慢してたわ、バカ。」
半年も二人が我慢してた理由。
それは、相手のことが大好きだから。
誘惑 『LURE』
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作者名：名奈 | 作成日時：2021年1月18日 17時
