LURE ページ25
※R要素有
.
小さなアパートに、男と女が一人ずつ。
彼らは付き合って半年が経ったカップルだ。今日みたいなお泊まりは何回もしている。
しかし、二人が一線を越えたことはない。
お互い、半年も経ったからそろそろ良いのではと思いつつも、中々そういう雰囲気にならない。
しびれを切らした彼女が今宵、仕掛けようとしていた。
風呂から上がった彼女は、今日のために買った薄ピンクの上品なレースをあしらったランジェリーを、上下セットで身につける。下の横側で結ばれたリボンで、可愛さと色気を演出する。
その上からもこもこのパジャマを着る。ショートパンツで彼の欲求を煽る。
「お待たせー。お風呂ありがと。」
濡れた髪をタオルで拭きながら現れた彼女に、彼はどぎまぎする。
視線を下げていくと、彼女の曝された太腿が目に入る。白く肉づきのいい太腿に、ゴクリと生唾を飲む。
「ん、風呂入らないの？」
「は、入るよ？」
彼は慌てて風呂場へ向かう。
「(慌てちゃってかわいいなー。どうやら作戦は上手くいったようね。)」
誇らしい気持ちになった彼女は、スマホの画面を眺める。
一方、湯船に浸かっている彼は、ひどく動揺していた。
「(え、何あれかわいすぎでしょ！というかエ ロい！これはソウイウコトしちゃっても良いのか？でも幻滅されるかな…。いや、でも半年も我慢したんだ！彼女だって同じ気持ちのはず……だと思う！！)」
意を決した彼は、逆上せる前に風呂を出た。
「あ、上がった。ねー、髪乾かしてちょうだい？」
彼が上がったことに気づいた彼女は、さらに仕掛ける。
「わかった。」
部屋にドライヤーの音だけがする。
彼女は次の作戦を、彼はこの後の雰囲気の作り方を考える。
「はい、これで良い？」
「うん、ありがと。」
「じゃあ、次は俺ね。」
彼女よりも短い彼の髪は、すぐ乾いた。
続
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作者名：名奈 | 作成日時：2021年1月18日 17時
