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それから、あっという間に時計の針は進んだ。
メリーゴーラウンドなんて3回も乗ったというのに、毎回彼女がかわいくて仕方がない。なんなんだほんと。
ゴーカートではかっこいい一面を見せてくれた。意外なことに彼女は運転が好きなようで、ぶっ飛ばすことで得られる爽快感がとても良いらしい。俺よりかっこいいじゃん。なんなのほんと。
そして、いよいよその時が近づいた。
空は暗く覆われ、星々が瞬いている。
「最後に観覧車乗ろ。」
頬をほんのり朱にした彼女は頷いた。
「高い…街が小さく見える……」
ぽつりぽつりと呟く彼女の意識を俺に向けたくて、声を発す。
「今日は、わざわざ俺のために付き合ってくれてありがとう。」
「いえいえ、私も行きたかったので。もう何年ぶりかなー…」
彼女の初めての彼氏が俺だから、最後に遊園地に行ったのは小学生の頃らしい。
いや、今はそれどころじゃない。頑張れ俺！一周する前にプロポーズするんだ！いや心臓やばい！破裂しそう！！
「あ、あの」
「うん、」
跪き、指輪の入った箱を取り出す。
ﾊﾟｶｯ
「俺と、結婚してください…！俺、Aさんに釣り合う自信ないし、Aさんみたいにかっこよくないし、Aさんみたいに運転上手くないし、Aさんに及ばないとこばっかだし、」
オロオロする俺を包んだのは、彼女の体温だった。
「え…？」
思いもしなかった展開に、間抜けな声が出た。
「私の愛する旦那さんのこと、悪く言わないで下さい。」
「え、それって、」
温もりが離れ、彼女の視線とぶつかる。
「よろしくお願いします、愛しい旦那さん。」
GONE WITH THE WIND 『崇高』
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お久しぶりです！作者です！
執筆再開します！
昨日Dreaming Worldも更新しましたので、そちらもよろしくお願いします！
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作者名：名奈 | 作成日時：2021年1月18日 17時
