妄想最盛期 (ページ3)

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初恋はどんな味？ページ3

初恋は、小学生の頃だった。
彼とは小学校の頃からの仲で、よく一緒に遊んでいた。
時に秘密を共有し、時に一緒に叱られ、時に悲しみを分かち合い、時に共に笑い合った。
私は、そんな楽しい時間が大好きだった。

しかし、時は流れた。

思春期とは恐ろしいもので、人の考えをいとも簡単に変えてしまう。
男子は男子で、女子は女子で固まるようになる。
無論、私にも女子の友達はいたが、それは、彼と離れる理由にはならなかった。

「ねぇ！今日一緒に帰ろ？」

「ごめん、俺友達と帰るから。…てか、お前いい加減俺に話しかけるのやめろよ。お前だって友達いるんだからそいつらと帰ればいいじゃん。」

「そ、そうだよね…。迷惑だったよね、ごめん。」

何となく分かっていた。いつまでも一緒にはいられないと。
それでも、彼の傍にいたかった。

それから、私が彼と話すことはめっきりなくなった。
友達が多かった訳じゃないが、仲の良い友達と遊びに行ったり、メイクの練習をしたりするようになった。

中学を卒業し、高校は彼と違う学校だからどのように過ごしているかは分からないが、彼も楽しい生活を送っている…と思う。

高校生になってから、彼と過ごした日々を思い出すことが増えた。

『俺、大きくなったら医者になるんだ！もしAが病気になったら、俺が治してやるからな！』

ニカッと真っ白な歯を見せて笑う少年は、私の中から消えなかった。

そんなある日のこと。
高校では部活に所属しなかったため、まっすぐ家路に着いていた。
知り合いとすれ違う時、どういう反応をしたらいいのか分からないから、下を向いて歩く癖がついていた。

家の前の下り坂。
よく競走したっけな。いつも私が勝って、〇〇涙流して悔しがってたな。

…なんて思っていたら、見知った顔の男子が、私の家の前に立っていた。
伸びた身長にあの頃の面影はないが、キリッとした眉毛に爽やかな短髪。小学校を卒業した記念にお揃いで買ったキーホルダーが、確かに彼であることを物語っていた。

坂の上から彼を見ていると、こちらを向いた。

「A、久しぶり。」

真っ白な歯を見せて笑うあの日の少年と、重なった。

グロリアス『初恋はどんな味？』

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このお話は続きを考えています。
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